「ヒューゴの不思議な発明」見たよ


1930年代のフランス・パリ。父を火事で亡くし、パリ駅の時計台に隠れて暮らす少年・ヒューゴ(エイサ・バター・フィールド)にとっての唯一の友達は、父が遺した壊れたままの“機械人形”だった。その秘密を探るうちに、ヒューゴは機会人形の修理に必要なハート型の鍵を持った少女・イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)と、過去の夢を捨ててしまった老人・ジョルジュ(ベン・キングスレー)に出会う。機械人形には、それぞれの人生と世界の運命を変えてしまう秘密のメッセージが隠されていることを知るヒューゴ。いま、ヒューゴの世界を修理するための冒険が始まる――。

『ヒューゴの不思議な発明』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。


傑作であることはうたがいようがない作品でしたが、思っていたほど揺さぶられるシーンもなくて少々拍子抜けしたというのが率直な感想でした。

予告が素晴らし過ぎて期待が高まり過ぎたのか、もしくは仕事上がりでちょっと眠かったのがよくなかったのかも知れません。映像の美しさと魅力的な登場人物には傑作のにおいを感じましたが、ストーリーはバラバラと散らばっていた印象を受けたし作品全体としては期待していたほど楽しめませんでした。


思うに、作品に対する期待値が高過ぎたのかなとは思うんですよね...。予告なんかほんとすばらしかったですもん。

先が読めないし気になるストーリー(悪く言えばとりとめのないお話と言い換えることも出来ますが)は常に次の展開への期待を煽ってくれたし、観る人を惹きつけてやまない美しい映像はこれが実写であることを忘れそうになるほどすばらしかったです。


ですが、一方では観ていてもまったく心が動かない部分も多くて、例えば亡き父が残した機械仕掛けの人形の意味や意図を探ろうというところはいっさい惹かれなかったんですよね。じゃあ亡き父の形見から声なき声を見つけようとするとシチュエーションに興味がないのかというとそんなことはなくて、先日観たばかりの「ものすごくうるさいけど、ありえないほど近い」もとても似た状況で物語がつづられるのですがそちらはすごくグッときたし、感情が揺さぶられたんですよね。

「ものすごくうるさいけど、ありえないほど近い」の方が設定も演出もわたし好みだっただけに、どこかでこの作品と比べて劣る部分にがっかりして楽しめなかったのかも知れないし、そうだとしたらちょっともったいない見方をしちゃったなーとひとりでテヘペロしちゃいました。


ちなみにわたしがいちばん好きなシーンは、クロエたん演じるイザベルが汽車から降りてくる人たちに踏まれそうになって大声でヒューゴに助けを求めるシーンです。

どういうシーンなのかもう少し詳しく説明をすると、駅の人ごみの中をスタスタと進んでいくヒューゴをイザベルが追いかけていくのですが、ちょうど汽車から大人たちが降りてきてしまったためにその人の流れとは逆向きにすすむことになってしまい、イザベルは思うように進むことができなくなってしまいます。そしてついにはつまづいて転んでしまうのですが、彼女が転んでいるのにだれも気付かないのかそれともそんなのはおかまいなしなのか転んでいるそばを通り過ぎていこうとする大人たちの迫力に恐怖したクロエたんがヒューゴの名を叫ぶというシーンです。

ここからがうまくまとまらないのですが、このシーンがわたしの中にあるいつかの記憶とものすごく符合していて、ただそれはまったく同じような経験をしたというわけではなくて、もう少しメタなレベルで一致するなにかがあるという幹事なのです。

その一致するものがなんなのかはわからないのですが、そういった体験そのものを映像をとおして記憶にかぶせてくるという経験をこのシーンで生まれて初めてしました。


あと画的にいちばん好きなのはサシャ演じる警官が花屋のお姉さんに初めて話しかけようとするシーンで二人が花を背景に立っている風景を真正面からとらえているシーンがあったのですがすごくきれいでドキッとしたんですよね。そう感じた理由がいまでもぜんぜんわからないのですが、胸を撃ち抜かれたときのような*1衝撃を鮮烈におぼえています。


「体調が万全ではなかった」とか「3Dで観なかった」という楽しめなかった理由というか要因がいくつか思い当たるので、来週あらためて3Dで観に行こうと思います。そこで楽しめなかったらもうあきらめます。




公式サイトはこちら

*1:撃ち抜かれたことは当然ないんですけどね