「劇場霊」見たよ


芸能事務所に入って5年、いまだ役に恵まれない若手女優・水樹沙羅(島崎遥香)は、気鋭の演出家・錦野豪太(小市慢太郎)の新作舞台に端役で出演することに。演目は、若さを保つため少女の生き血を浴びていた実在の女貴族エリザベートの生涯を描く「鮮血の呼び声」。舞台にはエリザベートの内面を映し出す分身の人形が置かれ、その前で沙羅や主演の篠原葵高田里穂)、野村香織(足立梨花)らは火花を散らしながら連日稽古に打ち込んでいた。そんなある日、劇場でスタッフの女性が変死体で発見される。その直後、今度は葵が転落事故で意識不明の重体に。葵の降板を受け、沙羅は急きょ主演に抜擢される。ところが稽古中に、沙羅は舞台に置かれた人形が動き出すのを目撃。果たして目の錯覚か、それとも…。劇場にただならぬ気配を感じとった沙羅と美術スタッフの和泉(町田啓太)は、人形を制作した作家・児島(中村育二)を訪ねる。ところがその頃、劇場ではこの世のものとは思えない「ちょうだい…ちょうだい…」という声が響き渡り、新たな惨劇が巻き起こっていた――。

『劇場霊』作品情報 | cinemacafe.net


いろいろあって3週間近く映画を観てなくてひさしぶりに見たのがこの作品でしたが、めちゃくちゃおもしろくなくてがっかりしました。いやまあおもしろくないのは予告を観て覚悟してましたし、そもそも観に行った理由は「ちょうどいい時間に観られる作品がこれしかなかったから」というだけなので過度な期待をしていたわけではないのですが、もうマジでダメでした。

まず一番文句を言いたいのは「ホラーなのに怖くないのってどうなの?」っていうことです。


この作品ではある人形が恐怖を呼び寄せる、生み出す存在として冒頭から出てくるわけですがこの人形のやることなすこと全部怖くありません。見た目はたしかに不気味さを感じさせる素養はあるのですが、なんかこうね、まったく怖くないんですよ。

しかも物語がすすむにしたがってどんどん怖くなくなっていって、最後の方ではもはやギャグのような行動をとる始末でして、ホラーじゃなくてコメディだったらもっと評価されてたかも知れないなーなんていうよくわからないことをぼんやりと考えながら鑑賞しました。


そもそも怖くないだけでなく、ストーリーがおもしろくない、演出が雑、登場人物の誰もが魅力的に見えないといった感じで観ている人に興味をもってもらえそうな要素が何一つないことに観ている途中で気付きました。煽りでもなんでもなくて、もしこの作品がおもしろいという方がいたら、どのへんにおもしろさを感じたのか教えていただきたいです。

あ。そういえば、演出家が女優に仕事をえさに枕営業を強要するシーンがあるのですが、このスタッフ、キャストであんなシーンを入れるというのはどういう意図なんだろうなあというのはちょっと気になりました。それを断った女優が干されるという無駄にリアルな展開もほんとうにこの作品に必要だったのかどうか謎ではあります。


あと観ていてすごく気になったのが主演の子の目に対する違和感。

本作の主役、水樹沙羅を演じた子はふだん前髪をおろしているシーンではすごくかわいらしい感じなのですが、髪をアップにしたり顔がアップになって目元が強調されるシーンになると顔全体の割合と目の比率がどうにも違和感がありましたし、ちょっとした衝撃が加わったらボロボロと崩れてしまうんじゃないかという不安定さを感じる造形をしていて直視するのがつらかったです。平時のシーンはすごくかわいらしいんですけどね....。

ホラー映画なのに怖くないという根本的な部分に欠如があると言わざるを得ないこの作品において、ゆいいつ能動的に恐怖を振りまいていたのが映画の内容にまったく関係のない主演の子の容姿というところになんとも言えない気分になりました。アイドルが整形しているとかそういう話はほんとうに好きじゃないのであまりしたくないのですが、でもそういう話に疎いわたしでさえもこれはちょっとやり過ぎじゃないかと思ってしまうくらい作り物感のある目が怖かったです。

この子を売り出したいのであればもうちょっとうまく撮ってあげればいいのに、なんでこんなふうに違和感が増幅するような感じに撮ってしまったのか理解に苦しみます。


そして目だけでもすごく苦手だったのに、困った風な顔もわざとらしくてかなりダメでした...。調べてみたらかなり人気のあるアイドルらしいのでtwitterには怖くて書けませんでしたがめちゃくちゃ苦手なタイプでした。


ホラー映画なんだし怖ければそれだけでよかったと思うし、そうじゃないならかわいい女の子をかわいらしく映してくれたらよかったと思うんだけどなんでこんなことになっちゃったんでしょうか。


@MOVIX宇都宮で鑑賞