- 出版社/メーカー: パラマウント ジャパン
- 発売日: 2007/04/27
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1970年代のアメリカ。軍人としてベトナム戦争で戦った男が祖国に裏切られた復讐からアラブのテロリストと手を結び、国内での数万人規模の大量殺戮に着手。テロリスト暗殺を仕事とするイスラエル諜報特務庁の殺し屋、カバコフ少佐はアメリカ国内でのテロ行為により市民感情がイスラエル支持から離れるのを防ぐために、海を渡り大義のない死闘を繰り広げることになる。
ブラック・サンデー (映画) - Wikipedia
TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。午前十時の映画祭上映作品。
その昔、公開する直前になって上映が中止になったらしい、という作品の内容にほぼ無関係の豆知識だけを携えて観に行ってきましたが、最初から最後まで緊張感の途切れるところのないたいへんおもしろい作品でした。こんなに終わりが読めないというかドキドキしながら最後まで物語の行方を見守ったのは、今年観た作品だと「スカイライン」以来です。
果たしてどうなることかと最後まで目が離せませんでした。
アメリカの国民的人気スポーツであるアメフトの試合会場にて選手と観客合わせて8万人全員を殺戮しようというとんでもないテロを計画して実行してみましたよというお話。
本作は「テロリスト」と「テロを阻止しようとする人たち」の戦いという対立軸が描かれているのですが、いつもはこういった作品は自分が支持する側を決めてその視点で観ることが多いのです。ところがこの作品についてはどちらの側にも自分の視点を定められず、観ながら気持ちが揺れ動いていることに気付いたのです。
さまざまな犠牲を払いながらテロを遂行することに執着するテロリストたちにはぜひそれを実行させて欲しいと願う一方で、何か悪いことをしたわけでもない8万人の人々が犠牲になるのは間違っているのでテロは阻止して欲しいという気持ちもまた同時に湧き上がってきたのです。
観ている最中にこの矛盾する二つの考えにころころと切り替わってしまっていたんですよね。
理由は正直よく分からないのですが、たぶん両者の心理描写やそれぞれの行動原理やその背景の描き方が丁寧だったために、どちらにも感情移入がしやすかったのかも知れません。とにかく物語のテンポ以上に、気持ちの切り替えに忙しい作品でした。
とにもかくにも疑いようのない大傑作!
これはまた観たいなー。