「ハンナ」見たよ


元CIA工作員の父とフィンランドの山奥で人知れず暮らし、並外れた格闘テクニックを叩き込まれたハンナ。愛らしい外見に反し、痛みを知らず感情をもたないまま16歳まで成長したハンナの戦闘能力はいつしか父を超え、ついに外の世界へ旅立つ日が来た。ある任務の下、ヨーロッパへ旅立った彼女をかつて父の同僚であったCIA捜査官マリッサが執拗に追う。フィンランドからスペイン、ドイツと彼女の行く手を阻むマリッサの手下との壮絶な戦いのなかで、ハンナは自身の卓越した身体能力の秘密を知らされることに――。

『ハンナ』作品情報 | cinemacafe.net

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フォーラム那須塩原にて。


去年「ラブリー・ボーン」を観て以来、シアーシャ・ローナンの新作を長く待ちわびていたのですが、新作の公開は決まったものの相変わらず栃木県での上映は予定されておらずしばらくは涙で枕を濡らす日々が続きました。ところが、公開から2ヶ月が経ったところでやっと栃木にもお鉢が回ってきましたので喜びいさんで観に行ってきました。まー、栃木とひとくちに言っても宇都宮から車(高速道路経由)に乗って1時間くらいかかる程度に遠いんですけどね!(道のり計算で70km!)


まず、鑑賞しての率直な感想を申し上げると、残念ながら期待していたほどわたし好みの作品ではありませんでした。
演出過剰とも思える映像はいまいち好きになれませんでしたし、ストーリーもなにかと横道にそれがちな上に無意味としか思えないシーンも多くて途中まではあまり楽しむことは出来ませんでした*1


ただ、当初はこの映画を「アクション映画」だと思ってみていてそのいまいちっぷりにイライラしていたのですが、これって冷静に観てみると完全にロードームービーなんですよね。シアーシャ・ローナンが世界中を旅してまわりつつ、最後には無事に当初の目的を果たすというお話なんですが、特筆すべきは彼女が旅先でお世話になった人たちが軒並み散々な目に合されてしまうというとても切ない物語だということです。
彼女が無理を言って頼み込んで泊めてもらったホテルのオーナーはとばっちりで殺されちゃうし、親切心から彼女を車に乗せた家族はその行方を聞きだすために拉致されてしまいます*2。さらには彼女と父親の待ち合わせ場所になっていたグリムの家のオーナーは殺された挙句吊るされてしまう始末でしてみなさんとても悲惨な末路を迎えているのです...。
まるでシアーシャ・ローナンが死神であるかのように、寄るところ寄るところの人たちがひどい目にあう様子をみていたら、アクションシークエンスの盛り上がらなさに憤るよりも切ないロードムービーとして観て楽しもうという気分になりまして「次はいったいだれがひどい目にあうんだろう...」ということを考えながら鑑賞しました。


でも結局のところ、シアーシャ・ローナンがあまりにかわいかったのでもうそれだけで十分満足しました!という、映画の感想としてはどうしようもないところに着地してしまうのでした。


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*1:でも音楽は結構好き

*2:その後どうなったのかは不明