「2001年宇宙の旅」見たよ

2001年宇宙の旅 [Blu-ray]

2001年宇宙の旅 [Blu-ray]

遠い昔、ヒトザルが他の獣と変わらない生活をおくっていた頃、謎の物体がヒトザル達の前に出現する。やがて1匹のヒトザルが物体の影響を受け、動物の骨を道具・武器として使う事を覚えた。獣を倒し多くの食物を手に入れられるようになったヒトザルは、反目する別のヒトザルの群れに対しても武器を使用して殺害し、水場争いに勝利する。

2001年宇宙の旅 - Wikipedia

TOHOシネマズ宇都宮にて。午前十時の映画祭にて鑑賞(14本目)。
本作品は今回の「午前十時の映画祭」でどうしても見たかった作品のひとつに挙げられるほど興味のある作品でしたが、その期待以上に個性的でワクワクさせられる、でも最後は意味不明で頭を抱えたくなるすばらしい作品でした。何度も何度も繰り返し見ることで身をもってこの世界を堪能すべき作品だと感じたし、ストーリー展開が分からなくて置いてけぼりにされることすら楽しい作品というのは初めてでした。


この作品に関する解釈についてはさまざまな記事がネットにありますし、後半ほとんど置いてけぼりを食らったわたしが他の人の批評を調べて偉そうにその解釈をたれるのも違うと思いますのでここではそれについては触れないでおきます。
わたしがこの作品を観てつよく感じたのは、本作は非常に映像や音声による体験を重視しているということでした。終始流れていたおどろおどろしい音楽は観ている人の不安を強烈に煽り立てたし、はたまた突拍子もないくらいぶっ飛んだ色彩感覚を元に作られた奇妙な映像は、これまた観ている人の潜在意識下にある恐怖を引きずり出すような怖さを持っていると感じました。
個人的には本能の訴えかける恐怖というのが一番ピンとくる表現です。
映画館という場所は元々暗い場所ですが、まるでスクリーンのあるこの場所だけが地球から切り離されて別の空間に飛ばされたのではないかと不安をおぼえちゃったんですよね。冗談みたいな話ですが、「映画を観終えて外に出たら何もなかった...」なんてこともちょっと覚悟しながら劇場を後にしました。
# もちろん、外は何も変わらず今までどおりでしたがw


で、観終えて感じたのはこれをDVDで観たとしたら、わたしはここまでこの作品のすごさを実感出来なかったんじゃないかなということです。あの音楽の迫力、映像美はやはり映画館の設備だからこそであり、これこそ映画館で見るべき作品だと感じたのです。
DVDだったら「何か話はよくわかんないし気持ち悪い作品観たわー...」で終わりですね、これ。それだけ考えても、この午前十時の映画祭で上映してくれたことには非常に感謝したい気持ちでいっぱいになります。


この作品を観て、キューブリック作品にかなり興味がわいてきたのでどこかで再上映があればぜひ駆けつけて鑑賞しようと思います。