「パレード」見たよ


都内のマンションに暮らす男女4人の若者たち。几帳面で健康オタクの会社員・直輝(藤原竜也)、自称イラストレーターの未来(香里奈)、無職で恋愛に依存している琴美(貫地谷しほり)、先輩の彼女に恋をしている大学生の良介(小出恵介)。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、自分を装い、優しく怠惰に共同生活を続けている。そこに男娼のサトル(林遣都)が加わり、町では女性を狙った暴行事件が連続して起こり始めた。やがて日常は歪み始め、思いもよらぬ結末が訪れる――。

『パレード』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


鑑賞後に残るモヤモヤとした気分は久しく味わったことがなかったどんよりとした重苦しいものでしたが、そんな苦々しいあと味を味わえたこと自体はとても貴重な体験でしたし、何より観たことで心に爪あとを残す作品は嫌いじゃないです。
人間のもつ欲求というのは多岐にわたるというのは理解しているので、異常な欲求を満たすために異常な行動を取ること自体は理解できるのですが、単に居心地のいい居場所を守るためにもとてもまともとは思えない選択をしてしまうということに暗澹たる気持ちになってしまうのです。


何よりもそのような一見異常とも思える行動・選択をとっているのが、日常生活を見る限りでは何も特徴がないように見える普通の人ばかりだというのはすごく怖かったですし、さらにその行動をごく自然にとってしまっているのを見ると余計に絶望的な気分に陥ります。
そしてここではあえて「普通の人ばかり」と書きましたが、結局普通という言葉には何の具体性がないことを本作を観てあらためて実感しました。どんな人もみんなどこか違うし、"普通な人"なんてどこにもいないんですよね。


何と書けば正確に伝わるのか分からないのですが、こう自分の価値観の根っこをグラグラ揺らすいやらしい作品でした。
いやらしいと言っても性的に興奮するわけではありませんのであしからず。

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