
- 作者: 吉田戦車
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/12/15
- メディア: 文庫
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一見、愛想の良いふりをして、実は「ふつうに怖い」乗り物・観覧車に、高所恐怖症の漫画家が乗り歩いた。今は無き向ヶ丘遊園、日本最古の屋上式イン名古屋、浅草では逆回転に驚き、反時計回りに二時を過ぎたあたりでくらった横風に大量発汗した大阪。イラスト満載の戦車エッセイ集大成。
http://www.amazon.co.jp/dp/4062765438
おもしろい漫画や小説を書く人はエッセーを書いてもおもしろいと常々思っていますが、そのわたしの理論を補強してくれる一冊でした。高所恐怖症を克服するべく日本中の観覧車を乗り歩くのがエッセーの中心となっていますが、それ以外のちょっとしたエピソードもとてもおかしくてクスクス笑いが止まりませんでした。外で読むのは危険です。
そもそも文章自体がすごく読みやすくてよいのですが、そこかしこにちりばめられた著者の挿絵とコメントがそのおもしろさに拍車をかけています。文章もうまく書けないわたしですが、絵についてはもっとうまく描けなくてたぶん幼稚園児にも負けるくらいへっぽこな絵しか描けません。こういうすてきな絵が描けるというのは本当にうらやましい。
絵も文章もふつうにおもしろかったです。
そういえば、本書を読んでいるときに「吉田戦車氏と伊藤理沙さんに第一子誕生」みたいなニュースが出たのですが、それを見て「あれ?」と首をかしげてしまいました。というのも、本書の中に吉田氏が子どもを連れて観覧車に乗りに行く話が何度か出ていたので既にお子さんがいるんだと思っていたために、もしかしてこの本の中に出てくる娘というのは著者の妄想なのかと2回3回と読み直してしまいました。
実際には本書に出てくる娘さんは前の奥さんとの間のお子さんということでして、妄想でも何でもないことが分かってなぜかほっとしました。
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