「エスター」見たよ


赤ん坊を死産して悲嘆に暮れるケイト(ヴェラ・ファーミガ)とジョン(ピーター・サースガード)。何とか普通の生活に戻ろうと必死の夫婦は、養子を迎えることを決意する。そして訪れた地元の児童養護施設で、2人は1人の少女と出会う。彼女の名はエスター。エスターを養子として迎え入れ、幸せな生活が始まると信じていたケイトとジョンだが、彼らの身の回りで謎めいた事件が起こり始める。その愛らしい外見の裏に隠された、エスターの想像を超えた衝撃の正体とは ――。

『エスター』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


秋と言えば、ホラー映画!!
というわけで3週間前から楽しみにしていたのですが、やっと公開されたので喜び勇んで観てきました。ジワジワと追い詰められる焦燥感がとても伝わってきたし、何より音を使ったサプライズ演出がすごく印象的でした。怖かった!!でもチョーよかったです。
今年はホラー映画をほとんど観ていないのでとてもよい刺激を受けました。来週公開の「ファイナル・デッドサーキット 3D」や「戦慄迷宮3D」、再来週から公開の「REC2」というホラー映画月間のよい皮切りになったと思います。今年の秋もたくさんホラー映画観るんだぜ。


さて。
この作品のおもしろいところは、上にも書いたとおり音を使った演出がとても凝っている点です。
例えば、ケイト夫妻にはマックスという娘がいるのですが彼女は難聴のため、寝る時以外は補聴器を付けています。マックスが就寝する直前に補聴器を外すわけですが、その時に徐々に音が聞えなくなる演出があります。身近に敵がいるのに音が聞えない状態にならなければないことの怖さが、無音状態を意識的に作られることでヒシヒシと伝わってくるんですよね。
これ以外にも大きな音でびっくりさせるなんていうスタンダードな演出もあって、心休まらないスリリングな展開を演出してくれます。


怖いものが苦手な人にはお奨め出来ませんが、エスターの正体の意外性も含めてとてもおもしろいサスペンスホラーでした。
残酷表現が意外に少なかったので、多少怖いものが苦手な人でも楽しめると思います。近くで見られる人はぜひぜひ。


[追記]
以前ここにエスターの公開が楽しみだなんて記事を書いたら「エスター 正体」というキーワードでたどり着く人がたくさんいました。そんな人のために、以下ネタばれ込みでまとめます。未見の方が見てしまうと映画を観る気が起きなくなるので要注意!!


エスターの正体。それは、9歳の少女ではなく33歳の女性でしたというオチでした。
予告やポスターには「想像を超えた衝撃の正体」という煽り文句が書かれていましたが、たしかにこんなの分からないですよねえ...。フィクションにリアリティを求めるのは野暮なんですが、実在するかどうかすら怪しい病気がオチってのはズルイなあなんて思っちゃいました。なんて、エスターの正体が分からなくて口惜しかっただけです。



それでも観終えてから振り返ってみると、あれは伏線だったのかも知れないと思えるものもいくつかあったことに気付きました。
例えば、エスターがファックという言葉をその意味を理解した上で使っているのはいくらませているとは言っても9歳児らしくなかったし、同年代の子どもたちを懐柔する手口など人心掌握術が年齢不相応に長けていたりしてたところなんかも振りといえばそうなんですよね。こんなに情報があったのにネタばらしされるまで気付かないなんて鈍過ぎるぜ。


この結末を知るまではポスターにアップで映るエスターを見るたびに「この子怖いなあ...」と思ってみてたのですが、見終えてからは33歳の小さいおばちゃんにしか見えなくなりました*1
主演のイザベル・ファーマンはまだ12歳なんだけどなあ...。
ただ、インタビューの受け答えの様子や写真を見る限り、年齢以上に見えるのはメイクや演出ばかりではないようです。ジョデル・フェルランドを初めて観た時のような強烈なインパクトを受けました。


[参考]


公式サイトはこちら

*1:ちなみに、虹の女神という映画には「もう34歳にしか見えない...」というセリフがとても気まずいシーンがあります