イギリス・マンチェスター。幼い頃の罪で24年の生涯の大半を一般社会から離れて過ごした若者・ジャック(アンドリュー・ガーフィールド)。新しい名前で人生をやり直そうとする彼を、ソーシャルワーカーのテリーはサポートするが、一方で彼自身も実の息子との間で問題を抱えていた…。一人の青年の心の傷、希望、孤独を描いたジョン・クローリー監督(『ダブリン上等!』)作品。2008年ベルリン国際映画祭パノラマ部門でエキュメニック審査員賞を受賞。
『BOY A』作品情報 | cinemacafe.net
早稲田松竹にて。
ここ数年のことだと思いますが、2chのまとめサイトが非常に増えています。
学生の頃は2chが大好きで、就職活動の情報収集に使ったり*1、好きなゲームやゲーセンのスレを見たり書き込んだりしていました。ところが、最近はまとめサイトというのがありましてこれをみればおもしろいスレッドだけを選りすぐって見ることができるのです。しかも、見やすいように編集されているのでより短時間で内容を把握できるのもとても優れているために2chそのものはほとんど見なくなりました。
今では定期的に見ているのは嘘喰いのスレくらいのものでそれ以外はまったくみていません。
そんなまとめサイトの中でも「痛いニュース」はとりわけ人気があるサイトでして、かなり多くのユーザーが見ているサイトです。
どのくらい人気なのかを調べるためにTop Hatenarを使って調べてみるとこんな↓結果になりました。
livedoor readerに17000人以上って....。
とまあ、こんな感じでものすごい人が見ているわけですが、たしかにおもしろい記事も多いのでわたしもたまにチェックしています。
さて。
このサイトを見たことがある人はご存知だと思いますが、ここは取り上げるスレッドや編集がとても偏りがちでして、記事によっては本当にひどい有様で見てられないほどです。見たことも会ったこともない人たちに対して、ニュースやネット上の記事を根拠に罵倒を繰り返す様子は正視に堪えません。
なぜこのようなことになるのか考えてみたことがあるのですが、そのときは他人を平気で傷つけてしまう人というのは相手が感じる痛みを想像出来ない人なんじゃないかと思っていました。
でもずっと考えて分かってきたのは実はまったくその逆で、過剰に想像力を働かせてしまった結果として相手の本来の姿を見ようとせず、自分の想像する姿を勝手に相手に当てはめた挙句敵視して暴言をぶつけているように思えるのです。
そして程度の差こそあれ、わたしの頭の中にもこれと同じような思考回路があるんじゃないかと思えてならないときがあるのです。
ある死刑囚の死刑執行までを描いた「休暇」という映画を観た時にも思ったのですが、例え犯罪者であったとしてもその人となりや人間性というのは決して一様ではないということです。犯罪を犯したということだけで相手をことさら根っからの悪人と決め付けてしまうのはしょうがない一面はあるにしても正しいことではないのです。
もちろん自分自身が当事者になったとしたらそんな悠長なことは言っていられないだろうけれど、でも、だからこそ自分が客観的に接することが出来るものだけでも、ニュースや噂話だけを信じて相手の人間性を想像するようなことは止めたいなと思うわけです。
わたしはテレビやネットで少年犯罪があったと聞だけで少年法を盾にして犯罪に興じるような狡猾な子どもたちを想像していました。
でも本作を鑑賞したことで、そうではないケースもあるのだという当たり前のことを改めて認識出来た気がします。そのことだけ考えてみても、わたしの中にある想像力というものは場所によって過多だったり欠如していたりととてもアンバランスだったことがうかがい知れます。
物事を判断する上で「絶対」というのはありえません。
だからこそ、その誤ってしまった場合のツケをどちらにまわすのかという視点や議論はとても大事だと思うし、わたしにとっては存在意義が認められなかった少年法についても以前よりは理解を示せる気がします。
[追記]
「休暇」の感想へのリンクはこちら
公式サイトはこちら
*1:内定をもらった会社のスレを立てて散々煽られたのも懐かしい思い出です