クリスマス目前のローマ。きらびやかにライトアップされた街で、一人の日本人少女が失踪した。これは営利誘拐か? それともテロの序章なのか? 警察の包囲網を撹乱する犯人グループに、一向に進展しない捜査…。様々な想いが交錯する中、全ての鍵はイタリア南西に位置する美しい港町・アマルフィにあった ――。そして、そこで外交官・黒田(織田裕二)が見出した事件の全貌とはいったい? 邦画初のオールイタリアロケを敢行し、これまでにないスケールで描かれるサスペンス超大作。フジテレビ開局50周年記念作品。
『アマルフィ 女神の報酬』作品情報 | cinemacafe.net
MOVIX宇都宮にて。
予想外と言っては大変失礼なのですが、とてもおもしろかったです。5月に公開された「GOEMON」をネタだと決め付けて鑑賞しに行ったときに予想外に面白くてどう反応してよいのやら分からずうろたえてしまいました。その時に「ネタだと決め付けて映画を観にいくのはよくないな...」と大いに反省したはずでしたが、実は全然反省していませんでした。アマルフィも予告を観てネタ作品だと思い込んでいたのですがとても楽しい2時間を過ごすことが出来ました。
さて。本作のいちばんの見所はというと....正直ありません。
とは言っても、飛びぬけて「おぉー」と思えるシーンや展開があるわけではないというだけで、一連の流れはとてもよく練られていて事件の全容が見えたときにはとても感心させられました。「作品の中にここはいい!! と言えるほど盛り上がれる部分がない」と言ってしまうとそれは悪口のようになってしまいますが、ここでそう表現したのは「抑揚に欠けている」という意味ではなく、作品全体をとおして観る人を引きつけ続ける力を保ち続けられているという意味でして、非常に高いレベルでうまくまとめられた作品でした。
だから個々のシーンとして印象的なシーンなんてのはないのです。全部がいい。
そんなわけで、ストーリーもよくまとまっていて、「黒田の勘があまりに鋭過ぎてテンポが良過ぎ*1」たり、「あれだけ大暴れしておいて何事もなかったかのように出国してしまう」などいくつか気になる点はありましたが、大半はとりわけて突っ込みたくなるような展開でもなかったために、観終わっても何も残らないノンアルコールのビールのような映画だという印象を受けました。
あと味すっきり。
鑑賞し終えて、楽しかったという爽快感だけが気持ちよく残る作品でした。
これは夏休み映画っぽいかも。
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