「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」見たよ


数枚の写真を残して失踪したシタオ(木村拓哉)。彼は他人の痛みを身代わりとなって引き受けるという特殊な能力を持っていた。彼の父親の依頼を受けた探偵のクライン(ジョシュ・ハートネット)は、彼の足跡を追って香港へ。そこで、シタオがリリ(トラン・ヌー・イェン・ケー)という女性と一緒におり、彼女を溺愛するマフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)もまた、シタオのゆくえを追っていることが判明する。マフィアと警察の抗争、壮絶な逃走劇に巻き込まれながら捜索を続けるクラインはやがてシタオと対面するが…。

『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。
わたしはものすごく怖がりの癖にホラー映画が大好きで、始まって数分もすれば観に来てしまったことを後悔してしまうと分かっているくせに、怖そうな作品を見つけると小躍りしながら劇場へと足を向けてしまいます。どうやってもフォローできないような真性の変態や、ウィルスなどによって常軌を逸してしまった人たちに追いかけられて声を上げながら逃げ惑う、か弱き主人公に自分自身を投影してその追いかけられるスリルを味わうのが好きなのです。


そんな性癖もあって、予告がとても怖そうな雰囲気をかもし出していたこの作品が気になりこの作品を観たのですが、これがまたひどかった...。とは言っても、つまらないとかくだらないというそういうひどいではなく*1、気持ち悪すぎてめまいがしそうな作品なのです。
なんていえばいいんだろうなあ...。夢に見てうなされそうというのが一番近しい表現のように感じられるのですが、とにかく頭のあちこちにこびりついてふとした瞬間に思い出してブルーになるようなそんな作品でした。金属バットでクラインがたこ殴りにされるシーンやミスをした部下をドンポが白い袋に詰めてボコボコする(白い袋が血で真っ赤になる...)シーンの痛みの描写の生々しさには只ならぬものを感じたし、クラインが目にした連続殺人犯の部屋の気味悪さは他に例を見ないほどひどいものでした。この部屋が出てくるシーンを見たときにまっさきに思い出したのは乙一の「冷たい森の白い家」という話ですが、あれを読んだときに感じた受け入れがたさが鮮烈によみがえってきました。
このシーンだけでも観る価値はあると思います。こんな気持ち悪いものは普通に生きているだけではなかなかお目にかかれないです。


ストーリーはたいして面白くないというか全然惹かれるところがなかったので、この手の映像に興味があるひとにだけ全力でお奨めします。


[リンク]
冷たい森の白い家が掲載されている本です。

ZOO 1 (集英社文庫)

ZOO 1 (集英社文庫)


公式サイトはこちら

*1:誰もが楽しめる間口の広い作品ではないけれど