
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: 文庫
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謎めいた料理店で出会う“少し変わった子”たちが、あなたを幻想的な世界へと誘う―。
http://www.amazon.co.jp/dp/4163252002
何となく変わった本を読んでみたくて手にとったのですが、予想以上にすごくおもしろかったです。
ご飯を食べるという日常誰もが行っている行為をとおして描かれる人と人の関係の在り方、孤独とはどういうことなのかということが切実に表現されていて、読みながらハッとさせられるところが多くありました。森さんの本を読むのは初めてでしたが、読んでいるうちに著者の考え方や人となりに興味がわいてきました。
わたしは一人でいるのがとても好きで、誰かと一緒に行動するよりも一人でブラブラしたり本を読んだりしている方が大好きです。
では、じゃあ人が大勢いるところは好きじゃないかというとそんなことはなくて、そういった人ごみにまぎれているときにだけ感じられる寂しさというのもあってわたしはその感覚も非常に大好きなのです。
孤独が好きなくせに人ごみにまぎれていると安心するなんていうのは何だか矛盾しているような気がしていたのですが、他人との関わりがある中でその誰とも交わらない嗜好、誰からも理解されない思考が自分の中に存在すると感じたときに浮き上がって見えてくる孤独があるということを本書で知り、今まで感じていたことを肯定してもらえたようでとてもうれしくなりました。
誰かと一緒にいたいという欲求については家族がいつも一緒にいるので満たされているのですが、一人になる時間や孤独を感じることについてはものすごく飢えていることに気づきました。我ながらあれもこれもと欲張りだなと呆れてしまいます。
とてもこの本がおもしろかったので森さんのほかの本もあわせて読んでみようと思います。