教育投資への熱意

秋田県育英会奨学金対象者を100人追加することが決まったそうです。

育英会が新年度から始める大学入学時の奨学金制度について、県は悪化する経済情勢を踏まえ、貸与枠を拡充するため、6日、8550万円の補正予算案を県議会に追加提案した。

http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000000812090004

経済情勢が苦しいっていうのは県自体も同じはずですが、そんなつらい懐事情よりも奨学金の追加を選択したというのはすごい決断だとおどろきました。
たぶん、全国一斉模試でトップになったということで得た「秋田県は教育熱心」というイメージを大事にしているのかなと思いますが、理由は何であれ、金銭で進学をあきらめる人が一人でも減ることはとてもよいことだと思います。奨学金の金額についてはあまり調べたことがないのですが、毎月5万円って結構多いですよね?
わたしが学生だったころに受けていた奨学金育英会*1でしたが、学部生が42000円で大学院生が84000円でした。それと比べて8000円も多いんですよね。とか言って今違ってたら恥ずかしいなと調べてみたら、51000円に金額がアップしていました(参考)。
であれば、50000円というのは相場どおりなのかもしれませんが、300人に毎月50000円を貸したら年に180,000,000円(1億8千万円!!)もの出費になるわけですからこれは決して安い出費ではないはずです。これがすぐに返ってくるわけでもなく、まして既に借りている人も200人以上いるようなので、すべて合わせると年に3億円は必ず出ていく計算になります。さらに一時金も合わせたら毎年毎年すごい負債になるというのが明らかであるにも関わらず、その選択をしたというのはとんでもなくすごいことなんじゃないんでしょうか。
県の予算で考えたら数億なんて...という人もいるかも知れませんが、本当にこの金額が秋田県にとって少ないのかどうか気になったので調べてみました。


まずは具体的に秋田県の予算がどのくらいなのか分からないので探してみると、以下のサイトに財政状況についての新しい資料(2008年6月)が上がっておりましたのでそれをさっそくダウンロードして見てみました。
# 資料はPDFなのでビューワーが必要です

美の国あきたネット(財政状況)


3ページを見ると一般会計歳出予算の配分が書かれており、歳出全体で5,769億円が計上されていてそのうち教育にかかる費用は20.3%となっています。つまり1,160億円が教育に割かれているのです。他県ってどうなの?と思うのですが、ひとまず調べずにおきます。個人的には20%って多くね?と思うのですが、前年に比べて100億円近く予算が削られているのを見ると前はもっと多かったのかもしれません。
# これもあとで調べると...。


とにかくこの1,160億円のうちの0.3%が奨学金に使われていると。
0.3%というのはあまり多くないかな?というのが率直な感想ですが、直観以上のものはありませんので自信がもてません。他県の様子を見て判断しようと思います。


で、話は奨学金に戻して、ここ最近このブログの検索でも「奨学金」「返さない」「方法」でたどり着く人がいます。もし本気で奨学金を返さずに済ませようと考えている人がいたら、その人は全財産を返済に充ててさっさとあの世に旅立ってしまえばいいのにと思います。だいぶ穏やかな表現をしましたが本気でそう思います。
苦しい状況の中からねん出された奨学金なのですから、誰も返さないとなるとあっという間に行き詰ってしまい次の世代には奨学金がないなんてこともありえます。それでいいんですか?ということです。多くの人に教育を受けて欲しいと願って設立された奨学金制度なわけですから、永く続けられるようちゃんと返してほしいものです。

*1:今は日本学生支援機構[JASSO]という名前らしいです