櫻の園


ヴァイオリニストへの夢を失った結城桃(福田沙紀)は、姉がかつて通っていた名門私立女子高校・櫻華学園へ編入する。伝統を重んじる音楽学校の方針とそりが合わず、ここへやって来た桃だったが、櫻華学園もまた伝統に囚われた学校であった。ある日、校舎内にある“あかずの部屋”と言われる場所を訪れる。そこは、廃部となった演劇部の部室であった。そこで桃は、チェーホフの「桜の園」の台本を見つける。それは、かつて毎年の伝統として上演されていた劇であった。ある事情から、上演されなくなっていたのだ。そして桃は、同級生たちや仲間たちを誘い、再び「桜の園」を復活させようとするが…。1990年に中島ひろ子を主演に迎えて映画化された、吉田秋生の同名漫画を再び映画化。人気急上昇中の若手女優・福田沙紀、映画初主演作品。

『櫻の園 -さくらのその- (2008)』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。
予告も何も観たことがなかったのですが、映画館に貼ってあったポスターの桜色がとても印象的だったので観て来ました。
18年前の映画のリメイクということでしたが、フレッシュなキャストのおかげか、ストーリーや演出には古臭さはまったく感じず、最後まで非常にたのしく拝見しました。特にラストシーンの締め方がとても秀逸でしてここだけは誰が何を言おうともぜひ絶賛したい。最後の最後まで全てを語ることをよしとする風潮が最近は感じられるのですが、そんな中でこういう最後まで語らずにカミソリでスパッと切り裂いたような終わらせ方はすごくよかったです。
さらに高校時代という淡い時代を描いた作品のラストにふさわしく、エンドロールで流れてくる音楽はスピッツという完璧さ。エンドロールの終わりまで身じろぎひとつせずに見入ってしまいました。


全体をとおしてひとつ言いたいことがあるとすれば、あまりに福田沙紀にスポットが当たり過ぎてるなという点。
主演なので当然他の人よりも露出は増えるわけですが、それにしたってまるで彼女のプロモーション作品であるかのように彼女が撮られ過ぎていて周囲がおまけとか空気みたいになってしまっている部分が多過ぎます。他のメンバーとの露出のバランスがもっと取れていればこんなに違和感を感じなかったのになーと思わずにはいられません。
ただし、逆に言えば彼女のファンであればこれほど満足度の高い作品はそうそうないと断言出来るほど、彼女のもつ魅力が360°全方向から映されていて、全然ファンではなかった私でさえも見とれてしまうほどすてきなシーンばかりでした。今までは北乃きい福田沙紀の区別が出来ませんでしたが、この作品のおかげでなんとか見分けがつきそうです。


映画を観終わって帰路についたわたしは、来年のカレンダーは福田沙紀にするよと友達にメールを送ったのでした。


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