「群青 愛が沈んだ海の色」見たよ


沖縄の離島にやって来た世界的に有名なピアニストの由起子(田中美里)は、島のウミンチュ<漁師>の龍二佐々木蔵之介)との間に娘・凉子(長澤まさみ)を授かる。しかし、病弱だった由起子は天国に旅立ってしまう。やがて、幼なじみの一也(良知真次)と大介(福士誠治)と兄妹のように育った凉子は、ウミンチュの一也と結婚の約束をする。だが一也は、凉子の父を説得するために宝石サンゴを獲りに出かけ、帰らぬ人となってしまう…。悲しみから自分の世界に閉じこもってしまった凉子を、父と大介はそっと見守る――。沖縄の海を舞台に、最愛の人を亡くした父と娘のそれぞれの愛の痛みと再生を描いたヒューマンドラマ。

『群青 愛が沈んだ海の色』作品情報 | cinemacafe.net

小山シネマロブレにて。
隠し砦は観なかったので、「そのときは彼によろしく」以来となる2年ぶりの長澤まさみ主演作を観てきました。
涼子の両親のなれそめ、涼子の幼少期から一也が海で命を落とすまで、そしてそれから一年後という三つの章仕立てで構成された作品でしたが、3つの章それぞれが異なる時間軸で島の様子を切り取りながら、作品全体を通して大事な人を失うつらさとそこから立ち直るプロセスを主題として描いている点がとても興味深く感じられて見ごたえがありました。
ひとつだけ、ラストに突如として訪れるファンタジー、というかスピリチュアルな雰囲気には結構戸惑ったのですが、ここに至るまでの流れがとてもよかったため自然に受け入れることが出来ました。普段であればラストまできて突然路線を変更されると一気にテンションが下がってしまうのですが、「まぁこういうのもいいかも知れないな」と思わされてしまったという事実は、いかにこの作品の前半から中盤部分がおもしろかったのかということを表しています。特に田中美里が出てくる第一章は地味なシーンが多いのですが、すごく好きです。


わたしはロボコンを観て以来、長澤まさみの出演作はいつも楽しみにしているのですが、ロボコン以降で彼女が演じる役というのはいつも悲劇のヒロインばかりというところに不満を感じていました。2chなどでは東宝のお姫様などと揶揄されることもありますが、本当にそのとおりでしてわたしはもっといろいろな役を演じる彼女を見てみたかったのです。と言っても、別におっぱい出せとか脱げとかそういうことではなくて、コメディとか犯罪者のような役を演じている彼女を見てみたいと思っていたのです。
そして今回は配給会社が東宝ではないようなので、もしかしたらいつもと違う役どころが見られるんじゃないかと期待していましたが、結局大枠では今までどおりの彼女らしいお姫様然とした役どころでしてそこは残念だと感じました。
ただ、この作品では妙に彼女のアップが多くて、例えば寝ている顔を横にして写しているシーンなどはホラー映画みたいでちょっと怖かったのですが、それでも基本的には彼女をどれだけかわいく見せられるかということに挑戦しているのが見てとれるほどとても彼女はかわいく映されていました。それはそれで悪くはないんですけどね...。


公式サイトはこちら


[追記]

配給会社が変わったことについて調べていたら、こんな記事を見つけました。

さらに、清らかで透明感のあるヒロインとしてイメージが定着していた長澤が、官能的で人間くさい「群青」のヒロインをどう演じるのかは長澤にとっても女優としての大きなターニングポイントであり、注目を集める作品となることは間違いない。今回の主演に関して長澤は「人間の本能で感じられる映画だと思うので、皆さんも何か少しでも感じてもらえたらと思います」とコメントし、意気込みをうかがわせた。

長澤まさみ、官能的な衝撃小説の映画化主演に!洋画の20世紀フォックスが配給 - シネマトゥデイ

事前にこの記事を読んでいてこんな作品を期待していたとしたら、きっとがっかりしてただろうなあ。官能的な部分っていったいどこを指しているんでしょうか....。
作品自体は悪くないんだから、変な方向に過剰に期待をもたせるような記事はプラスにならないし、止めた方がいいと思うんだけどな。