蒲公英草紙 - 常野物語 -

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)

変わりゆく日々に少女が見たのは、時を超えた約束と思い。懐かしさと切なさの魔法がきらめく感動長編。

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舞台は20世紀初頭。宮城県南部の農村を舞台に繰り広げられる、ある特殊な能力をもった少女/一家を描いた作品。
夜のピクニックがとてもおもしろかったので、引き続き恩田作品に手を出してみました。作品の方向性はかなりちがいますが、読んでいるだけでその土地の風が体の中を吹き抜けるような、臨場感あふれる作品でした。こういうところは、夜のピクニックと共通していて、同じ著者の本だなーと実感できます。


古きよき日本の姿と、そこにある幻想的な集団の姿の郷愁ある雰囲気にとても惹かれました。


この作品には書籍にはめずらしく公式サイトがあるようです(こちらです)。
これがなかなかおもしろいページで、たとえば本書の中でわかりにくかった「しまう」や「虫干し」といった行為をFLASHで説明しています。一度本書を通読してからこのページを見ると、作品への思い入れが深くなるようになっていて工夫されている様子がうかがえました。