ラスベガスをぶっつぶせ


マサチューセッツ工科大学の学生・ベン(ジム・スタージェス)。ある日、その並外れた数学的素質を教授(ケヴィン・スペイシー)に見出され、ブラックジャックの必勝法を編み出した天才学生チームに誘われる。30万ドルという高額な学費を稼ぐため、チームに参加したベン。仲間とともに日夜トレーニングを続け、卓越した頭脳と巧みなチームワークを駆使してラスベガス攻略を試みる! 天才学生たちがラスベガス攻略に挑んだ実話に基づく物語。ベストセラー小説「ラスヴェガスをブッつぶせ!」をケヴィン・スペイシー主演で映画化。

『ラスベガスをぶっつぶせ』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。
MITの教授と学生がタッグを組み、ブラックジャックでがっぽり稼ぐという嘘のような実話を基にした作品。
勉強一筋で生きてきたベンが、冷静な性格と論理的な考察力を見出されて大金を稼ぐようになるシーケンスは観ていて非常に興奮しましたし、自らの才でお金を稼ぐようになったベンが独善的な人格を露呈していくさまはとても興味深かったです。


以前何かで読んだのですが「才あるものはすべて傲慢だ」という趣旨の言葉を目にしたことがあります*1。他より優れているという事はそれだけ多くのことを成せるということであり、そのことに自信を感じて自愛を深めれば深めるほど、相対的に他者を軽んずる気持ちが生まれる可能性が高くなることは否定出来ないと思います。ひとつの事を優秀にこなせるだけで他を見下すことが正しい事だとは思いませんが、ベンが他のメンバーよりも多く稼げることに自信を深めていった結果、それまで親しくしていた友人を見下して切り捨ててしまうというシーンにはベンの気持ちが理解出来るというかそれなりの説得力を感じました。


一点だけ観ていて「あれ?」と感じたのは、ベンという人物の描き方です。
ベンはMITでもオールAという優秀な学生であり、卒業後の進路としてハーバード医科大学への進学も決まっているというまさに才にあふれた学生なのです。そんな優秀なベンが有名なモンティホール問題を知らないとはちょっと考えにくいし、そもそも出てくるシーンから推測されるのは数学が得意な学生と言うよりも算数が得意な学生なのです。計算が速いとか記憶力がいいとかその程度。
もっと数学という分野に才のある天才らしい一面を見せて欲しかったなと感じました。


あとこの作品のキャスティングはすごく良かったと思います。ベンを演じたジム・スタージェスのスマートさとMITの学生であるキアナを演じたライザ・ラピアのキュートさがとても印象に残りました。特にベンのクレバーな面持ちというか雰囲気はMITでオールAを修めた学生という説得力を感じさせるまさに適役だと感じました。
それとライザはクローバーフィールドにも出ていたらしいのですが、まったく記憶にありません。あれだけ目を引く顔立ちであれば覚えていてもよさそうなのですが全然覚えていません。どこで出てきたんだろう...。DVDが出たら見直してみようかな。
配役はどれもとても良かったと感じたし、それが作品そのものの説得力につながっていたように感じます。

公式サイトはこちら

*1:いくらぐぐっても見つからなかったので私の勘違いかも知れませんが...