夏休みのある日、母親が出て行った薫の家に、“ヨーコさん”は突然やって来た。大口で笑い、タバコを吸い、ケンカも強い。神経質な母とは正反対のヨーコに始めは戸惑う薫だったが、自分のことを子ども扱いすることなく、真剣に向き合ってくれる彼女に次第に心を開いていく。そして、ありのままの自分をのびのびと解放させる喜びを知っていく…。
『サイドカーに犬』作品情報 | cinemacafe.net
MOVIX宇都宮にて。
映像もストーリーもすごくよかったです。すごく面白い!!という感じではないのですが、じわーっと作品の世界観というか魅力を感じられる作品でした。個人的にはかなりツボです。
何が良かったのかなと思い返してみると、とにもかくにも竹内結子さんが良かった。
普段は細かい事は気にせず呆れるくらい大雑把なヨーコですが、些細な一言への返答に窮してしまったり根気強く薫に自転車の乗り方を教えたり、さらには本を読むのが好きなせいかいろんな事を知っていたりと単なる適当人間ではない部分をちらちら見せてくれます。そのチラリと見えたその優しさ・博識ぶりと普段のギャップがもう素敵過ぎます。
そういった一瞬の表情の出し方というか表現がとにかく巧いのです。
やっぱりギャップっていいなあ。普段優しくない人が急に優しくなったら好きになってしまいそうだし、いつも罵声を浴びせてくる人から褒められたらそれだけで有頂天になってしまいます。ギャップ最高。
この作品を見てたら、昨年の夏に読んだ角田光代さんのキッドナップ・ツアーを思い出しました。娘と父親が過ごしたひと夏の思い出がとても甘酸っぱくて、私が大人になった時に娘とこんな事したいなぁなんて思いながら読みました。
# それでいいのか?という部分はありますが...
新潮文庫の夏の100冊に選ばれていた作品ですが隅から隅まで夏らしさが溢れていて、夏が来る度に読みたくなりそうです(ちなみに一昨日読み返しました)。今年も夏らしい作品に出会えますように。
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 文庫
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