眉山

東京で働く咲子(松嶋菜々子)は、故郷の徳島で一人暮らす母・龍子(宮本信子)が入院したと聞き、久しぶりに帰郷するが、母が末期ガンだと知らされ愕然とする。身勝手で父のことを決して語らない母に、寂しさとわだかまりを抱えてきた咲子だが、母を看病する中で、医師・寺澤(大沢たかお)と出会い、自分を温かく包んでくれる彼に自然と惹かれていく……。残された時間の中で咲子は、寺澤に背中を押されるように、今まで知らなかった母の人生を知っていく。会ったことのない父のこと、母と父の切なく苦しい恋を。やがて、母の死期が近いと悟った咲子は、母が父と果たせなかったある願いを叶えるために、母を熱狂の阿波おどりへ連れ出す……。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7386

宇都宮第一東宝にて。
回想シーンを含め、徳島の美しいシーンが多くてその点とても素晴らしい作品でした。特に阿波踊りのシーンは、あれだけ多くの踊り手が一堂に会しているだけでも圧巻なのに、その人たちが踊り・練り歩き、そしてそれがまた一つの見せ場としてしっかりと構成されている事に心底感動しました。お盆を彩る地域の風景として、とても美しくそして一瞬だからこその儚さが伝わってきました。これを見たら徳島に行ってみたいって思う人も結構いるのではないかと思います。
# 私はぜひ行って見たいです


あとは松嶋菜々子さんのプロモーションビデオかと思ってしまうくらい、彼女の映し方がきれいなのが印象的でした。松嶋さんは出産された後とは思えないくらい、以前と変わらずきれいで驚きました。


で、ストーリーについて。泣かせようという意図が透けてみえる箇所が多かったのが苦手でしたがそれ以外はとてもよかったです。
そんな中、龍子が咲子に指輪を渡すとこは結構好きかもと素直に思えるシーンでした。龍子が自らの命が短い事を悟り、何十年と身に着けてた指輪を咲子に渡すシーンなのですが淡々と渡す龍子といろいろな事を思ってどう受け取っていいのか困る咲子の態度の違いは、死にゆく人とこれから生きていく人の意識のギャップのように感じられました。バトンを渡す側と受け取る側とでも言った方がいいのかも知れません。


あと...。
ラストシーン(メッセージカードを読むとこ)は要らなかったというか泣かせようオーラがひどくて残念でした。これが泣ければいい終わりになったかも知れません。メッセージカードにわざわざ娘が命でした...って書くか?と。たしかに直前のシーンで「お母さん大好き」と言った咲子に対して龍子は何も言葉を返しませんでしたが、それだって別に末期がんであることを考えれば何にもおかしなことではないです。死者からのメッセージというだけで泣けるだろう?みたいなそんな安っぽい終わりがっても残念でなりません。こんなのがなくても十分お母さんの想いは表現されてたと思うんですけどね。


それにしてもお祭って何であんなに楽しそうなんですかね。人が集まって日常とちょっと違う事をしているだけで、本当に楽しそうに見えるんですよね。子どもの頃はお祭なんて年に何度もなかったし、その日だけは何をしても許されるような(実際には許されないとしてもw)特別な日のような気がしていました。
逆に平凡な日常の積み重ねがあるからこそ、こういった非日常がとても浮き立つわけなんですよね。日々を大事に生きるためにも非日常感ってとても大事だと思います。どこでもいいからお祭行きたい!!


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