初雪の恋

陶芸家である大学教授の父親が交換教授するため、日本に転校することになったミン。
マウンテンバイクに乗って京都の街を走り回るなか、ひょんなことをきっかけに神社で澄んだ瞳をした日本人の高校生、七重と出会う。
彼女に一目惚れするミン。七重は、ミンが転校した学校の生徒だった。

七重と仲良くなろうとするミンの思いとは裏腹に、自転車に乗ったミンは、七重の大事な美術道具を川に落としてしまう。
申し訳なく感じるミンは、同じクラスメートの小島の助けを借りて、チンドン屋でアルバイトをすることに。
アルバイトで貯めたお金で買ったミンの想いが込もった美術道具を受け取った七重は、そのことをきっかけに、少しずつミンへ心を開いていく。

韓国と日本という、言葉と文化の違いの壁を乗り越え、ミンと七重は京都の名所で美しい思い出を紡ぐ。
あるとき、陶磁器店に立ち寄った二人は、いつかミンが作った陶磁器に七重が絵を描くことに約束する。
ミンは七重との約束を守るため、父親に陶芸を伝授してほしいと頼む。恋愛も陶芸のように、丹念に練らなければ割れてしまうという父親の忠告に、ミンは七重との出会いを大切にし、真剣に陶芸に取り組むことにする。

しかし、そんなある日のこと、七重は突然ミンの前からいなくなってしまう・・・。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7403

宇都宮テアトルにて。
京都の美しい風景や街並み、そして宮崎あおいさんの豊かな表情がとても素晴らしい作品です。そろそろ彼女に高校生を演じさせるのは厳しいと思っていましたが、前髪を上げた顔はユリイカや害虫の頃の彼女そのもの。そして実年齢に近い設定を演じる後半は、海でのはなしの時のような大人びた彼女が見る事が出来ます。ただ君もそうでしたが、何かとても得した気分です。
あとは恋愛シーンはイマイチでしたが、複雑な家庭環境で妹と二人で頑張る姿もなかなか良かったです。こういう救われないシーンでの彼女の薄幸オーラというか負のオーラの出し方は本当に天才としか評しえません。


と言うわけでいいとこもあったのですが、基本的にはかなり微妙な部分の多い作品でした。
まずは話の展開とその演出がひどすぎです。イ君はへたれな吉川晃司にしか見えない上に、単にしつこく付きまとっていただけで気付けば付き合ってることになっちゃってるし、もう見ててイライラしっぱなし。宮崎あおいつながりでただ君を例に挙げますが、あれだけかっこいい玉木宏が外見に自信が無い役を演じて私をむかつかせてくれましたがまさに今回はその逆。あれだけへっぽこなイ君が宮崎あおいに何年間も恋焦がれられる役をやるなんざ、企画から疑いたくなります。韓国にかっこいい人いっぱい居るのによりによって何で彼なのかさっぱりです。


それに再開のシーンがあっさりし過ぎだし、逆にラストシーン直前のタクシー降りて走ってるとこは何でそんな演出なの?と思ってしまうくらいの過剰演出。このあたりの加減が私には合わなかったようです。


あと、全体的にキャストが豪華なのに使い方が適当過ぎて悶絶してしまいました。塩谷瞬,森田彩華を友人として配置しておきながら大した使っている様子もなく(森田彩華なんてあれだけ意味深な前振りをされてたのに全然活かされてません...)本当にこれでいいの?と思わずにはいられません。
# 韓国側のキャストはよく分かりませんが。


そうそう。エンドロールで流れてた森山直太郎の曲はすごいよかったです。この映画を見るまで描いていたこの作品へのイメージとまさにぴったりと合う曲でした。見終わった今となってはこの作品にはもったいない気がします。

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