「キング」読んだよ

大学陸上部で同級生だった三人が、オリンピック男子マラソン代表・最後の一枠の選考レースに出場する。三十歳の彼らにとって、これは五輪へのラストチャンスだった。日本最高記録を持ちながら、故障に泣かされ続けた天才ランナー須田は、最高の練習環境に身を置き復活を賭ける。陸連批判をしてチームを去り、四年ぶりに走る武藤は「俺が勝つ」と豪語。そして、優勝経験がなく“勝ち方を知らない”青山の前には、ドーピングを勧める謎の男が現れて…。栄光に挑む男たちを巡る葛藤・執念・陰謀を描く、傑作書き下ろしマラソン小説。

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0-%E5%A0%82%E5%A0%B4-%E7%9E%AC%E4%B8%80/dp/440853434X

さいきん、堂場瞬一さんのマラソンランナーシリーズにハマってしまってあれこれ読んでいます。「チーム」「チーム2」と読んで今回はこの「キング」を読んだのですが、内容は「チーム2」に出てくる人に少し関係している話なのですが基本的にはこれまで読んだ本とは独立した内容になっていました。
「チーム」と「チーム2」に関係した内容だと思って買ったのですが、どうやらそれは別の本のようでして読み始めてからそのことに気付いてびっくりしました(笑) あほだ...。


関係しているのはこっちですね。

こちらはあとで読んでみます。


さて。

本作「キング」は大学時代に同じチームで走っていた青山と須田、武藤の3人が引退前の最後のチャンスをつかむために同じ大会で初めていっしょに走ることになるというお話なんですが、もともとさほど仲が良かったわけではない3人が、たったひとつのオリンピックへの参加枠を巡って争うということでとてもひりひりした内容となっています。

これだけでもなかなか緊張感のある話になっているのですが、くわえてドーピングに関するトピックも添加されることで、話はさらに複雑でスリリングな内容へと変わっていきます。この戦いが3人の誰にとっても負けられないものであることがわかっているからこそ、ぜったいに手を出してはいけないとわかっていながらも自らの力をもっと引き出してくれるかもしれないものに頼りたくなる気持ちはなんだかわかるなと思わず共感してしまいそうになります。

そんなわけでとてもおもしろい作品でしたが、ラストがちょっと性急すぎるというか「え?そんな終わらせ方でいいの?」という感じで終わってしまったのがちょっとさみしかったです。