最近読んだ本の感想(2014/05/01〜05/15)


2014年5月1日から15日までに読んだ本。

29. ほっこりミステリー

ほっこりミステリー (宝島社文庫)

ほっこりミステリー (宝島社文庫)

凄腕の殺し屋・兜が登場する、伊坂幸太郎の人気シリーズ作品「BEE」。『さよならドビュッシー』の映画化で話題の中山七里が贈る「二百十日の風」は、田舎を舞台にした心温まる物語。大藪春彦賞受賞で勢いづく柚月裕子は「心を掬う」で涙を誘う。「アゲハ」がドラマ化された吉川英梨は、「18番テーブルの幽霊」で驚きのトリックを描く!心がじんわり温まる、“人の死なないミステリー小説”が待望の文庫化。

http://www.amazon.co.jp/dp/4800223393

人気の作家4名(伊坂幸太郎、中山七里、柚月裕子、吉川英梨)が、「人が死なない」という条件のもとで書いたミステリー短編集でしたが、「作品がどれも短い」「誰も死なないという前提があるので緊張感が足りない」といった物足りなさは感じたものの、いずれも著者らしい文章がにじみ出ているよい作品ばかりでした。

30. グラスホッパー

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

http://www.amazon.co.jp/dp/404384901X


殺し屋シリーズの第一作目。
目の前で妻の敵を殺された男が、その殺した相手を追いかけていくんだけど...という不思議なお話。設定はディテールにまでこだわっていることがうかがえる一方で、物語そのものがもつスピード感というか疾走感がとても心地よいすばらしい作品。

登場人物のほとんどが殺し屋という性質上、出会ってしまった以上は誰かが死ぬことになるわけですが、そうやって消えてしまうのが惜しくなるくらいどの登場人物も魅力的でした。

31. マリアビートル

マリアビートル (角川文庫)

マリアビートル (角川文庫)

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利き二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!

http://www.amazon.co.jp/dp/4041009774


殺し屋シリーズ2作目。
簡単な仕事だと引き受けたら予想外に大変な事態に....というお話。「グラスホッパー」と同じく登場人物が殺し屋ばかりなのでたくさん人が死んじゃうわけですが、どのキャラクターもとてもキャラが立っていて途中で消えてしまうのがもったいなかったです。

600ページ近い厚みのある本ですが、すごくおもしろくてあっという間に読んじゃいました。