「アデル、ブルーは熱い色」見たよ


ある日、デートに向かう途中、アデルは青い髪の女性とすれ違った瞬間、世界が止まったかのように心奪われた。その後、その“青い髪の女性”画家のエマとバーで再会したアデルは、大人っぽい独特の雰囲気と、彼女の感受性の強さ・知性に魅了され、一途にのめりこんでいく。数年後、教師になったアデルは自分をモデルに絵を描くエマと暮らし、幸せな日々を送っていた。しかし、エマの作品披露パーティの後、アデルは彼女の態度が急に以前と変わったことに気がつく…。

『アデル、ブルーは熱い色』作品情報 | cinemacafe.net


ある女性と女性の恋愛を描いた作品ですが、長い上映時間179分のほとんどをなんてことのない日常を淡々と描いているだけなのですがそれがすごくおもしろいというか目が離せない不思議な作品でした。正直「この作品のどこがよかったの?」と聞かれても「主演のアデルがなんかかわいいんだよねー」くらいしか言いようがなくて困ってしまうのですが、公衆の目前で見せる「周囲の目を気にしてしっかりと行動している姿」と、一人でいるときや家族やエマのような信頼できる相手と過ごしているときに見せる「だらしない姿」のギャップがたまらなく愛くるしいのです。


わたしには男兄弟しかおらず、男の目がないところで女の子がどんなふうなのか分かりませんでしたが、自分に娘ができて初めて女の子の生態を観察してみたらそのあまりのだらしない姿に驚きましたし、幼い子どもが見せるそのだらしなさが異様にかわいく見えることにもびっくりしました。

だらしないというか無防備で隙だらけであるがゆえのかわいさといえばよいのでしょうか。
そんな娘たちにいだいた胸キュンと似た感情をアデルの日常から感じたし、本当にあの描写はすばらしかったと思います。ボロネーゼを口の周りにベタベタつけて食べる姿や、ベッドのうえでだらしなくよだれを垂らして寝ている姿なんてもう最高でした。


そんな愛らしいアデルがエマに出会い、憧れをいだいて恋をして、楽しい時間を過ごし、傷つき、そして別れる。

同性同士であることをのぞけば身近でも映画の中でもよく見る恋愛の風景ですが、一連の過程をきちんと描いてその都度アデルの心境の変化やら機微を丁寧に描いてみせてくれたためにアデルの心の変化をわがことのように感じることができたし、アデルが感じていたであろう「好き」だとか「うれしい」「苦しい」という感情に浸るような気分で最後まで鑑賞しました。




@MOVIX宇都宮で鑑賞



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