「ワンチャンス」見たよ


その男が現れ、「オペラを歌います」とあいさつしたとき、客席からは失笑がもれ、審査員たちは困惑した表情を見せた。「2007年、英国の大人気オーディション番組ブリテンズ・ゴット・タレント」でのことだ。容姿もパッとしない地味な身なりのケータイ販売員が、華麗なるオペラ「トゥーランドット」の名曲「誰も寝てはならぬ」を歌うというのだから、当然かもしれない。だが、その歌声が天に放たれた瞬間、会場は静まり返り、そしてすぐにどよめきに変わり、歓声と拍手が鳴りやまず、涙をぬぐう人さえいた。それが、一夜にして世界的オペラ歌手へと転身した、ポール・ポッツの、痛快なる奇跡の逆転劇――。

『ワン チャンス』作品情報 | cinemacafe.net


いろんなことにつまづきながら冴えない人生を過ごしてきた男性が、オーディション番組に出たことで人生を大きく変えるというお話。

主人公のポッツは、気弱でデブだったために幼いころからいじめられてばかり。
大人になっても、バイト先と自宅を往復するだけの毎日を過ごすだけで気の許せる友だちはおらず、かといって家にいても父親からもっとしっかりしろと言われて嫌な思いをするばかり。そんな彼の唯一の楽しみは大好きなオペラを聴いたり歌ったりすることだけという、これだけ読むとちょっと悲壮感さえただよいそうな状況なのですが、作品を観てみるとそんなことはないのです。

バイト先の店長が適当だけどやたらいい人だったり、勇気を出して思いきって行動してみたら案外いろんなことがうまくいったりと悪いことばかりが描かれているわけではないし、ポッツのぼくとつで控えめな性格は思わず応援したくなる雰囲気をかもしだしていてついつい見入ってしまいます。

くわえて物語のテンポがすごくよいというか、大事な部分はわりと丁寧に描くのですがたとえば物語があまり動かなそうな部分は半年や一年という単位で時間をあっという間にすすめてしまいます。そのアップテンポな構成のおかげで終始観ていて飽きるということがありませんでした。


最後の最後で一発逆転!的なラストはわりと好き嫌いが分かれそうですが、わたしはとてもおもしろいと思ったし観おえてとても幸せな気分になれるよい作品でした。オペラにはうといわたしでも聴いたことがある有名な楽曲が多く出てきてすごく興奮しました。


@TOHOシネマズ宇都宮で鑑賞


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