最近読んだ本の感想(2014/04/01〜04/15)


4月1日から4月15日まで読んだ本の感想まとめ。

22. 砂漠


砂漠 (新潮文庫)

砂漠 (新潮文庫)

入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決…。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれ成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。

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先日「終末のフール」を読んだら伊坂作品を読みたくなったので大好きな「砂漠」を再読。

大学入学後の飲み会での出会い、ハプニング、楽しい思い出、つらい出来事、特別だった新生活が日常に変わっていくようす、別れ。
同じような体験をしたわけではないのですが、読みながらどことなく自分の大学生活を思い出してしまい懐かしくて涙ぐみそうになる不思議な作品。むかし東京砂漠なんて歌がはやったそうですが*1、東京に限らずこの世の中はどこも砂漠みたいな殺伐としたところでして漫然とただその場にいることさえ許されません。

大学というのはそんな乾ききった世の中から守られたこの世のオアシスとも言うべき場所と言っても過言ではありません。庇護と自由のバランスが絶妙なのです。そんな大学生活のいいところも悪いところもぜんぶひっくるめてきっちりと描いているのがこの作品でして、ほんとすごい傑作だと思います。

麻雀はやったことがないけどぜひやってみたくなりました。


23. オー!ファーザー

オー!ファーザー (新潮文庫)

オー!ファーザー (新潮文庫)

父親が四人いる!?高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父×4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件―。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。

http://www.amazon.co.jp/dp/4101250278/


来月映画が公開されるのでそれを観てから読もうと思ったのですが、twitterでフォロワーの方から「超おもしろいからさっさと読んじゃえよ!」*2というアドバイスをいただいたのでさっそく買って読んでみました。

なぜかお父さんが4人いる高校生の日常を描いた作品でしたがすごくおもしろかったです。
それぞれまったくちがう性格の4人の父親とむすこの関係はわりと順調なうえにいずれもユニークで読んでて楽しかったし、読み始めたときは「父親は4人もいらないだろ....」と思っていたわたしも、父が4人いることのメリットを見出せるようになるくらいの説得力がきちんと書かれていました。


ひとつだけ気になったのは、文庫なのに価格がわりと高かったという点です。
ページ数が多いのでしょうがないのかもしれませんが、810円はちょっとエクスペンシブです。


24. 死神の精度

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

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続けてもう一冊、大好きな伊坂作品ということで「死神の精度」をチョイス。

この本は映画化されていてわたしは先にそちらを観ておもしろかったので原作も買ってみたというパターンなのですが、ひさしぶりに読んだけどすごくよかったです。急死する候補者に選ばれた人間を一週間かけて調査して死なせるかどうかを判断するという死神。世間一般にいただかれている死神のイメージとはちょっとずれているような気がしますが、音楽が好きでCDショップに入り浸るというところなんかがわかりやすいのですがところどころ親近感をおぼえてグッと興味がもてるキャラクターなんです。

映画では金城武さんが死神役をやったために、読みながらどうしても彼の顔を思い浮かべてしまうのですがイメージとしては悪くないと思います。



とりあえず手元にある伊坂作品はぜんぶ読み直してみようと画策中。次は「魔王」読むね!

*1:わたしはまだ生まれてなかったのでリアルタイムでは聴いていませんが

*2:意訳