お堅く真面目な大分市役所広報課の西川千晶(井上真央)は、市長からあまりにも知名度の低い大分市のPRをするため、「女子綱引きチームを結成せよ」との無理難題を課された。とりあえずメンバー集めを試みるが、マイナーなスポーツだけに人は集まらない。一方、千晶の母・容子(松坂慶子)の勤め先の給食センターが廃止の憂き目にあっており、千晶はその決定を覆すべく、給食センターの職員を綱引きメンバーにし、全国大会出場まで勝ち抜いたら廃止を取り消すよう市長と取引をするのだが――。
『綱引いちゃった!』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。
大分市の知名度を上げるために綱引きで全国大会に出場しようというお話でしたが、綱引きという競技の奥深さやおもしろさが伝わってくる作品でした。
綱引きは「ただ綱を引くだけ」と言ってしまえばそれだけの競技なのですが、やっていることがシンプルであるがゆえにごまかしが効かないし運にも左右されにくいというところがおもしろそうだなと感じました。地味なトレーニングを積むことで着実に成長していく姿を観ていたら、わたしも綱引きをしてみたくなりました。
と書くと「また簡単に映画に影響受けちゃって....」と言われそうですが、でも本当に心からそう思ったし、そういう綱引きのおもしろさや魅力が伝わってくる作品でした。大会の様子とかはすごくそれっぽくてよかったです。わたしも綱引きの試合出てみたい!宇都宮に綱引きのチームないかな?
ただ、綱引き自体が団体競技だからというのもあるのでしょうが、やたらと「人は一人ではない」とか「人生は団体競技」みたいないい話っぽさを全面に打ち出していたのがすごく苦手でした。言いたいことが明確なのはいいことだと思うのですが、でもあんなふうに明確に言葉で繰り返し表現してしまうと正直重いし、いい話っぽくしようとしてるなと感じてしまうんですよね。
映像からちゃんと伝わってきているんだから、あえて言葉にしなくてもいいじゃん....っていうのが率直な感想でした。
さて。
本作の見どころは作品そのもののおもしろさや綱引きのおもしろさだけではなく、井上真央と玉鉄の魅力が余すところなく存分に描かれているところにあります。
井上真央がかわいいというのはずっと前から分かっていたことですが、ここにきて、この作品でついにその魅力が一気に加速された感があります。
この作品の上映時間2時間の中に、井上真央がかわいくないシーンが1シーンもなかったというのは2012年邦画界における一番の出来事として語り継いでもいいのではないかと思うわけです。
さらにわたしが愛してやまない玉山鉄二がまたいい表情をするんですよ。
役柄というか演ずる役のキャラクターは比較的3枚目寄りなんですが、イケメン過ぎる見た目とキャラのギャップもまたたまんないんですよね。しいたけを仕分けしながら妄想が暴走してしまったり、酔っぱらって突如長渕を歌いだしちゃうところなんかもう最高でした。急に立ち上がってピーピーピーって歌い出した時は思わず吹き出しちゃいました。
綱引きや仕事に向かう姿勢は真摯だしマジメなんだけれど、どこか抜けているというギャップがまたたまらなかったりするわけですよね。
最初にも書いたとおり映画としてはさほどおもしろさを感じなかったのですが、登場人物を魅力的に描く・映すという点についてはかなりハイレベルな作品でした。ぶっちゃけもう一回観に行きたいくらいです。
そういえば、この映画っておそらく大分をアピールしたくて撮ったんじゃないかと思うのですが、正直大分のいいところはほとんど印象に無かった気がするんですよね...。そもそもの主旨がそうじゃないということであればよいのですが、かりにそうだったのであれば作品の意図とは違う出来になってしまったんじゃないかなーという余計な心配をせずにはいられませんでした。
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