- 作者: 宮下奈都
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/11/10
- メディア: 文庫
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どうしても忘れられないもの、拘ってしまうもの、深く愛してしまうもの。そういうものこそが扉になる―。ひとりの女性への道のりを描く書下ろし長編小説。
http://www.amazon.co.jp/dp/4334925324
- 作者: 宮下奈都
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/11
- メディア: 単行本
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田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、子育てに迷い、恋に胸騒がせる。じんわりと胸にしみてゆく、愛おしい「普通の私」の物語。
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最近、と言っても今年に入ってから宮下奈都さんの本が読みたくて読みたくてしょうがなくて本屋で見かけたら買うようにしています。
そんなふうに思うようになったのは初めて読んだ宮下さんの著書「よろこびの歌」がとてもよかったからなのですが、「よろこびの歌」を読んだときに他者への理解が生まれる瞬間を丁寧に切り取っているところに深く感銘を受けました。
さらに、上でも書いたようにそれぞれの物語にはたくさんの気づきの瞬間があるのですが、そのひとつひとつの気づきは他者への誤解が理解へと変わる瞬間でもあり、そのことが物語に、そして登場人物の魅力へと昇華されていたと感じました。
「よろこびの歌」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ
もう後半はボロ泣きしながら読んだくらいよかったので未読の方にはぜひおすすめしますが、同著者の別の作品ということで期待して手にした「スコーレNo.4」と「田舎の紳士服店のモデルの妻」は人の心の移り変わりをとても自然に、そしてなにひとつもれることなく丁寧に描かれているこれまたすばらしい作品でした。
「スコーレNo4」はある女性の幼い頃から働き始めるころまでを、そして「田舎の紳士服店のモデルの妻」は幼い子どもを抱えるお母さんの30歳からの10年を描いています。
それぞれ年齢も育ちも環境も違うのですが、日々の小さな変化をひとつも書洩らすことなく緻密に描いていてその精緻な表現には感銘を受けました。さらに毎日のささやかな変化を積み重ねた結果、その人の生きてきた軌跡が美しいグラデーションとなっており、ラストの温かさと相まって思わず泣きそうになってしまいました。
いまは分からなくても大人になれば分かることもあるし、逆にいましか分からないこともたくさんあるんだなと思うし、だからこそいまのこの瞬間を大事に生きたいなとつよく感じました。
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