「エクスペンダブルズ」見たよ


鉄壁のチームワークを誇る精鋭軍団“エクスペンダブルズ”はある日、南米のヴィレーナという島国の軍事独裁政権を壊滅させる危険な任務を受ける。そこでは、ガルザ将軍の圧政に対し、サンドラという美しき女性闘士が反政府運動を指揮していた。調査の為にヴィレーナに潜入したエクスペンダブルズのリーダー・バーニー(シルヴェスター・スタローン)だが、調べ上げていくうちに、ある陰謀が絡んでいることが発覚する――。シルヴェスター・スタローンが監督、脚本、主演を務めるアクションムービー。

『エクスペンダブルズ』作品情報 | cinemacafe.net

(注意)
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TOHOシネマズ宇都宮にて。


60歳を超えたスタローンが、老いてなお盛んなその肉体にものを言わせて敵をちぎっては投げるというなかなかイカした作品でした。
殴られた人は吹っ飛んでいき、首根っこをつかまれた人はポキリと首を折られ、不用意に殴りかかった人はその腕をへし折られ、銃で立ち向かった人たちはより破壊力のある銃によって肉片へと姿を変えていくというスプラッター映像満載っぷり。この気持ちいいくらい大胆な殺戮映像はまさにランボーと同じでして、あんなふうなストーリーや映像が好きな人であれば楽しめること間違いありません。


ランボーと唯一違うのは、スタローンには同じチームで戦う仲間がいるということでしょうか。わたしが感じた違いはこんな↓感じです。


「フレンドリーで友だちもたくさんいるランボー」 → 「エクスペンダブルズ!」


で、まあただでさえ強いスタローンが仲間まで手に入れたわけですからそのチーム(エクスペンダブルズ)が弱いわけはありません。さすがにスタローンみたいなすごい体をした人はいないとは言え、みんなスタローン並みに強くて頭が切れるので戦いは終始ワンサイドになりがちでして、そのあたりはもうちょっとパワーバランスを調整してもよかったんじゃないかなと思っています。
たしかに強いというのはいいんですが、味方の誰も死なないどころか大した怪我もしないというのはちょっとね...。
主人公が勝つようになっているのは当然という不文律はもんだいありませんが、あまりに一方的過ぎる戦いは時に他者を一方的に蹂躙しているようにしか見えないこともしばしば。もちろんそういった映像やストーリーが楽しいっていう人もいるのかも知れませんが、均衡したパワーバランスでこそ緊張感が生まれて物語が面白くなるとわたしはおもっているのでその一方的過ぎる演出は気になりました。


あともうひとつ気になったのは結局これってアメリカ国内(というかCIAという一組織)のゴタゴタが発端であり、小さな島国の人々はそれに巻き込まれたに過ぎないという部分かな。例えば、これが「悪い将軍が独立国家を作って島民から搾取する」という設定だったらそこを破壊しつくすことにカタルシスを覚えることも出来たのでしょうが、でもこれってそうじゃないんですよね。
あくまでCIAから利権を奪って逃げた男が別の国で悪さをしたのが事の発端であり、彼によって島民は多くのものを奪われて苦しむのです。そしてそれを制圧したのは島の人間ではなく、主犯格と同じアメリカの人間っていうのも「結局これはなんだったんだ....」と感じる理由の一つでしてどうにもそこがうまく受け入れられないのです。


ただ、あまりいろいろと考え込むよりは爆発音のすさまじさや破壊力のある映像を楽しむ方がこの作品を楽しめるのは間違いありませんし、そういった意味ではわたしはちょっとあれこれ考えすぎながら見てしまったなと感じて反省しました。


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