「THE 4TH KIND」見たよ


アラスカの北部・ノーム。精神科医アビゲイル・タイラー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、不眠に悩む町の人々の診察にあたっていた。だが、アビゲイル自身も、隣で眠っていた夫が夜中に何者かに殺されて以来、眠れない日々が続いていた。実は、ノームでは1960年代以来、未解決の失踪・殺人事件が多発していたのだ…。2000年に起こった未解決事件を基に、実在の精神科医であるアビゲイル本人の映像、録音音声、そしてインタビューを織り込んだ実話のスリラー。

『THE 4TH KIND フォース・カインド』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。
夜に時間が取れなかったので日中に映画を観に行ったのですが、かなり人が入っていてビビッてしまいました。ぶっちゃけ本編よりもこの人の多さに驚いてしまいました。予告やCMを見た限りではかなり微妙な作品としか思えなかったのですが、まさかこれだけ多くの人を引きつけていたとは完全に予想外でした。何が受けるのかわからないもんですねえ。


さて。本作はネタバレしてしまうとまったく見る価値がなくなってしまうので触り程度の紹介にしておきますが、正直、映画でやるほどのものではないなと感じました。映像がちょっと過激であること以外は、深夜番組でやりゃいいんじゃね?レベルなんじゃないかなと。


と書くとつまんないのか...と思われるかも知れませんが、前半部分はすごくおもしろいんですよ。
導入部で不眠症に悩む人たちが言葉を変えながら繰り返し述べる「午前3時になると突然目が覚める」「ふくろうに見られている」という謎めいた証言は非常に興味をそそられますし、その不眠症患者たちに催眠療法をかけることでその証言の本当の意味が見えてくるシークエンスはかなり興奮します。これいったいなんなの?と期待がものすごい加速度で煽られていくのが分かるのです。


ただ、その後の展開はかなり好き嫌いが分かれるところでわたしにはちょっと合わなかったかなと。
合うとか合わないというのはよい表現ではないのですが、わたしはもっと違う方向のことを期待していたのでそれとは適合しなかったかなというだけです。


そういえば、予告にもあったベッドに寝ている人に呼びかけたらものすごい奇声を上げて飛び起きるシーンがあるのですが、あそこで劇場内が大きく揺れたのがものすごくおかしくて一人で大爆笑してしまいました。予告でも流れていた映像だったのであんなにみんながびっくりするとは思ってなかったし、何よりもあんなにいっせいに劇場内がどよめいたのは初めての経験でしたので何だかとてもおかしくてヒーヒー笑いが止まりませんでした。あーいう一体感ってすごく楽しくてよかったです。


予告で興味を持った人にはお奨めです。



以下、観る予定の無い人向けにネタバレです。




簡単にまとめると「全部、宇宙人が悪い」っていう話でした。
不眠症の人たちが観た「ふくろう」というのは宇宙人のことであり、その宇宙人に拉致されてあれこれひどいことをされた上に記憶を消されてしまった人々が、頭の片隅に残っている記憶の影におびえて眠れなくなっていたというのが顛末でした。
催眠療法によってその事実を思い出た人の中には家族を道連れにして死を選んだ人もいたし、神経がぶちぎれて下半身不随になってしまった人もて、宇宙人によって人生をめちゃくちゃにされた人々の末路がいかに悲惨なのかということだけを描いた作品でした。
そういう話が好きな人にはたまらんのでしょうし、わたしだって「宇宙人こえーー」と思わなくてもなかったのですが、インタビューを受けているタイラーご本人(ミラジョボヴィッチじゃなくて本人)があまりに常軌を逸した表情をしていたので「この人はかなりやばい人なんじゃ...」という考えがどうしても頭から離れなくて、結果として信憑性のない話としか受け止められませんでした。


こうやって書いてみると、映画そのものが極端に悪いわけではなくて、単に予告を観たときに形成された映画に対する期待値とこの展開のベクトルがずれてただけだよなー。予告を観たときには、まさか宇宙人とか言い出すとは思わなかったもん。


公式サイトはこちら