平凡なサラリーマン・藤岡徹(竹中直人)は、入院していた病院で、偶然自分がガンだと耳にしてしまう。落ち込む日々の中で、彼は自分が残せるものは、いつまでも心に残る“音”だと気づく。それぞれに悩みを抱えるようになった50代の同級生たちに新メンバーも加わり、高校時代のバンドを再結成。猛練習を始めるが、思いがけない事態が起こる…。夢を諦めない男たちとその家族たちの姿を描いた感動ドラマ。シンガーソングライターの奥田民生が音楽アドバイザーとして参加している。
『僕らのワンダフルデイズ』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮にて。
わたしは竹中直人がとても苦手なのですが、本作での彼の役どころはすごくナチュラルになじんでいてまったく抵抗を感じませんでした。今年公開の山なんとかスクリームを観たときには「しばらく竹中直人が出る映画を観るのは控えよう...」と心に決めていたのですが、そんな過去にこだわりすぎて見逃すことにならなくてよかったです。おもしろかったです。
最近、懐古趣味に拍車がかかってきたわたしには高校時代の友達と組んでいたバンドを再結成してコンテストに出るというシチュエーションがとても魅力的に感じられたのですが、それと同時に、昔のように集まることは出来るけど今と昔ではそれぞれの立場も変わっているし昔には戻れないんだぜという部分の表現がすごく残酷でグサグサと観ているわたしの心に突き刺さるのです。
今年の5月に鑑賞した「セブンティーン・アゲイン」という作品も似たような演出があったことを思い出します。
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仕事もプライベートも冴えないサラリーマンのマイク(彼が主人公)ですが、20年前の彼は高校時代はバスケ部のエースとして活躍して学校中の人気者だったのです。そんな彼がある出来事をきっかけに突然17歳に戻ってしまい、自分の娘とおなじ高校に通うことになるというお話です。昔にタイムスリップするのではなく、あくまで時間軸は現代のままで体だけが20年前に戻るというのがこの作品の肝なのですが、この作品のラストでマイクはある決断を迫られることになるのです。
その選択はマイクが自身の人生の中で最も大きな過ちだったと後悔していた選択と同じ種類のものであり、それまでの経緯を知っていれば絶対に前とは違う方の選択をとるはずなのですがそこでマイクに生じる心情の機微がとても印象的なのです。
話を映画の方に戻しますが、中学・高校くらいにともだちとバンドをやってた人や加齢臭が漂い始めたくらいの年齢の人にはお奨めの作品です。
(参考)
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