「それいけ!アンパンマン だだんだんとふたごの星」見たよ


双子の星の妖精、流れ星を降らすことが大好きでおてんばなキララと心優しく星を見守るキラリは、ある日、ケンカをしたはずみで地上に落下してしまった。キララは湖のほとりに落ちたところをアンパンマンに助けられる。その頃、ヒヤリ城ではドクターヒヤリがロボットのだだんだんに心を与えて強くする実験をしていたが、そこへジャイアントだだんだんを操る謎の黒い星の子・ギラリが現れる。一方、キララとキラリがいなくなった星空では、世界の全てを滅ぼす力を持つデビルスターが強大化し、まわりの星を攻撃しはじめていた――。新しい仲間、かわいい双子の妖精・キララとキラリが大活躍する『それいけ!アンパンマンシリーズ21作目。だだんだん、さらに世界の全てを滅ぼそうとするデビルスターから夜空の星を守るため、アンパンマンと力を合わせて戦う!

『それいけ!アンパンマン だだんだんとふたごの星』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。2009年夏のアンパンマン作品。
ハホ*1と映画を観にいくようになってから毎年見続けているアンパンマンシリーズ劇場版が今年も公開されました。
今年からは1歳10ヶ月になるアオ*2も加わって、一緒に映画館へと足を運んできました。ハホは映画を見て満足し、そしてアオは映画よりもポップコーンが気に入ったようでとても満足した面持ちで映画館をあとにしていました。
よかったよかった。


今年も例年同様2本立てで構成されており、1本目はばいきんまんが主役で描かれ、2本目は通常どおりアンパンマンが主軸として描かれていました。個人的には1本目の方が好みです。2本目はストーリーはよかったんですけどね...。

ばいきんまん VS バイキンマン!?

大雑把にまとめると、ばいきんまんアンパンマンを倒すために分身を作り出して手下にしようとしたら逆に手下にされそうになってさあ大変というお話です。周囲の子どもたちはばいきんまんが自分の分身にとっちめられる様子がおかしかったのか、分身にやられるたびにみな笑っていました。


ゲームやアニメで、登場人物のうちの誰かが自分の分身と戦わないといけなくなるというのはよく見かける展開です。
自分の分身との戦いというのは、過去の自分との対峙だったり、自分の中にある悪い心・存在に打ち勝つための戦いだったりと、その内容はさまざまなのですが、これはほぼ例外なく、分身を倒してその存在を残り越えることで今よりももっと強くなるための儀式という側面をもっています。
本体と同じような身体・戦闘能力をもつ分身ですが、本体と分身の唯一の違いは正義の心を持っているとか、他人にやさしいとかそういう内的な要因だけであることが多くて、さらにそれこそが勝敗を分けるキーとなったりするわけです。


話を映画に戻しますが、じゃあばいきんまんと対立する分身はどうなのかというと、これが何とばいきんまんと同じデビルサイドの心を持っているのです。さらに腕力やロボットを作ったりという他の能力も同じでしてその両者の間には差がないと言っても過言ではないのです。まさしく生き写しともいうべき存在なのです。


またまた話がぶっ飛びますが、アイデンティティという言葉がありましてその人がその人であることを示す同一性をあらわすための概念なのですが、わたしはこれがとても大事なものだと考えています。他の人と明確に区別出来る自分という存在を持ち続けられるからこそのうのうと日常を送れるのであり、それがないことを想像することさえ、わたしにはとても耐えられないことのように感じます。


本作で出てきたばいきんまんの分身は、ばいきんまんアイデンティティを壊さんばかりの存在であり、正直見ていてぞっとしました。
完全に本体と置き換わることの出来る存在がいとも簡単に作りあげられることにはわたしはとても強い不快感を感じたのですが、一方ではばいきんまんが智謀でやり込められているという普段は見られない状況はとても愉快でした。その不快感と愉快な気持ちのギャップがとてもまぜこぜになっておもしろかったです。


まあ、アンパンマンをそんなに真面目に鑑賞しても...とは思いますが、そういった深読みをさせてしまうくらい奥深いストーリーだとわたしは思いますし、非常によかったです。


ちなみに、こちらの作品は新山千春が声優として参加していましたが、声がマッチしていてよかったです。


だだんだんとふたごの星

こちらがタイトル作品になるので本編という位置づけになるのかな?
過去のアンパンマン作品よりも非常にスケールの大きな展開には驚かされました。ただ、アンパンマンの対象年齢がいくつなのかは分かりませんが、幼稚園くらいの子どもには少し難しいかなという印象を受けました。対象としている年齢層が高い方にずれているような気がしました。
この手の感動系話はアンパンマンには向いてないんじゃないかなあ...。


あと、こちらのゲスト声優はスザンヌ親子でしたが、こちらは本当にひどかったです。冒頭は聞いてるだけでものすごくイライラしました。彼女たちのキャラクターでは客引きにするにも微妙だし、さりとて声優としてとても優秀なわけでもないというのは非常によろしくないです。作品自体にいい印象が残らなかったのは声優の影響もありそうです。


[感想リンク]

    1. それいけ!アンパンマン 妖精リンリンのひみつ


公式サイトはこちら

*1:長女

*2:次女