ホノカアボーイ


ワイ島の北に忘れられた町、ホノカア。ここでは、月に虹がかかるとき、願いが叶うと言われている。恋人にフラれ、大学を休学したレオ(岡田将生)は日本を離れ、この町にやってくる。ひょんなことからホノカアの映画館で映写技師として働くことになったレオが出会ったのは、風変わりだが心優しい人たち。新しい出会いと恋、ごはん、そして別れ。レオが大人になるために必要なものが全て、ここにあった――。実在するハワイ島の不思議な町・ホノカアにある映画館での出来事や村人との交流を描いた吉田玲雄の同名紀行文を映画化。

『ホノカアボーイ』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。
ハワイにある小さな町を舞台に繰り広げられる穏やかな穏やかな物語。なのですが、死んだはずの人が普通に現れて話しかけてきたりするなど、どこかスピリチュアルな香りを漂わせる作品でもあり、予告を観て想像していたような大人しい作品ではないなという印象を受けました。観る前は雰囲気的に「めがね」あたりが似ているんじゃないかと思っていて、「日本の喧騒から離れてゆっくりと時間が流れていくこの場所に身を委ねてしまいたくなる」という点ではたしかに似ているのですが、この作品からは「言いたいことや伝えたいことがあるんだ」という意思が感じられる作品でした。
とは言っても、何が言いたいのかが分かるわけではなく、何か言いたいのは分かるという程度なんですけどね。
鑑賞後にふとハワイに行って見たいなと思いました。


話は全然関係ない方に飛びますが、ここ最近今作で主演を演じている岡田将生がとても気になっています。彼ほど青空や青春という言葉が似合う人はいないんじゃないかと感じていて、10代の青春を描いた作品だったら全部彼に出て欲しいとさえ思っているほどです。
わたしの思う彼の魅力というのは、幼ささえ感じられる甘いマスクと細く長く伸びた身長、そしてその表情とは対照的にふてぶてしささえ感じるほど落ち着き払った態度のミスマッチにあります。
一昨年の「天然コケッコー」や先日の「ハルフウェイ」でもそうでしたが、彼の演じる役というのは「クラスや学年で人気のかっこいい人」という役であり、この設定だけ見ると非常にハードルが高いようにも見えるのですが、彼がキャスティングされるとまったく違和感なくはまってしまいます。この説得力は相当すばらしいものでして、普通の人だったら絶対にこうはならないのです。
彼を見ていると、わたしが10代の頃には「イケメンじゃなかった」事を理由に出来なかった数多くのやりたかったことをすべてやってくれるような気がするし、そんな彼に対してわたしは羨望のまなざしを向けずにはいられないのです。


この作品では学校生活という青春のメインステージとは一切関わらない彼の新しい一面をみることが出来たのですが、青空の下で悠々自適に生きる彼の姿もまた非常に魅力的に描かれていてとても雰囲気にあっていてよかったと思います。


そしてもうひとつ。この作品について驚いたことがあって、それはこの作品には蒼井優深津絵里が出ているのですが、彼女たちの使い方があまりに贅沢すぎるということです。
蒼井は作品の冒頭10分ほど出るだけだし、深津に至っては「とあるシーン」を含めなければほぼ数分で出番が終わっています。どちらも大好きなので出てくれること自体はとても嬉しいのですが、でもあまりに短過ぎるんです。もしこれが国内ロケであれば、別にそれほど不思議じゃないのですが、たぶんこのシーンは現地で撮っているはずです。そうだとすると「もしかしたら彼女らは単にハワイに行きたかっただけなんじゃないか?」と邪推してしまうのですが、何だかこうやって文字にまとめて書いていたらどうでもよくなってきました。倍賞さんに頭上数メートルのところから水滴をたらされる蒼井というシーンはなかなかユニークでおもしろかったし、このシーンの蒼井はとてもかわいかったのでとりあえずそれで良しとします。


旅行に行くほど時間はないけど、ちょっと自然で癒されたいという人にお奨めです。

[追記]
JALの企画でツアーが組まれているようです。people's theatreでこの作品が観られるってのはいいですね。

http://jlpk.jal.co.jp/hwi/honokaa/


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