善と悪が交錯する“フェイクシティ”。ロス市警のトム・ラドロー刑事(キアヌ・リーヴス)は正義のためなら手段を選ばず、誰もが嫌がる闇の仕事に手を染めてきた。そんな彼はある日、かつてのパートナーを目の前で殺され、犯人を取り逃がしてしまう。だがそれは、単なる殺人ではなく、この事件の裏には想像を絶する“何か”が隠されていた…。彼は巨大な悪に操られていたのだった。やがてラドローは、踏みにじられたプライドを賭け、決して後戻りできないエリアに足を踏み入れていく――。
『フェイク シティ ある男のルール』作品情報 | cinemacafe.net
MOVIX宇都宮にて。
仕事をする上でのルール。何か選択をする上でのルール。生活をする上でのルール。
誰にでも何かをするときには必ず遵守している自分なりのルールと言うものがあると思います。
私は結構そういう決まりごとを自分に課すのが好きで、例えば、「プログラムは必ずテストユニットと一緒に書く」とか「新作映画は公開週に観に行く」とか「すき家の新商品は必ず食べてみる」とか、何か理由がある場合もない場合もありますが、とにかく自分自身の行動指針として守るべき課題を掲げておいたりするとあまり迷うことがなくてとても快適なのです。
わたしはとにかく何事にも迷うたちでして、例えば外食した時なんてメニューを見てから注文するものを決めるまでとても時間がかかります。たぶんかかった時間の長さを比べてみると↓こんな感じになるはずです。
「席についてから注文が決まるまで」>>>「注文してからご飯が出てくるまで」>>>「ご飯が出てきてから食べ終わるまで」
そういうふうに迷ってしまうのが嫌なのであらかじめ何かしら自分ルールを決めておくわけですが、じゃあいったい他の人はどういうルールを決めて生きているのだろうといつも思っていました。この作品のタイトルを見たときに他人が自分に課しているルールを見ることが出来るかもと思い、期待しながら鑑賞してきました。
本作はロス市警を舞台に繰り広げられるドロドロだまし合い劇であり、その点は本当に見ていて気持ち悪くなるくらいのリアリティと迫力が感じられました。ただ、この描き方がどうも露骨過ぎるというか過剰に感じられたのも事実でして、権力に対する嫌悪感を煽ろうという表現を前面に出し過ぎていたのはちょっと苦手だなと感じました。
そしてもうひとつ。誰であっても大きな権力を持てばそれを振りかざしたくなるというのも事実でしょうが、あの微妙な結末を見てしまうとその説得力のなさにちょっとがっかりしていまいました。動機付けとしては分かりやすいんですけどあっさりしすぎです。
私はあまり込み入った話よりもシンプルな話が好きな方だと思いますが、それにしてもちょっと物足りなさを感じました。
で、わたしが一番見たかったラドローのルールですが、正直よく分かりませんでした。
その時その時の状況を見て好き勝手に振る舞った上で「俺がルールだ」というのが言いたかったのであればあーそういうことなのかと納得するのですが、たぶんそういうことではないと思います。あと思ったのは「誰であっても悪は許さない」というルールなのかも。
とりあえず期待していたルールはよく分かりませんでしたが、アクションシーンはすごく迫力があって面白かったし、刻々と変わる情勢と留まることなく流れるように進むストーリー展開もすごくよかったです。
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