3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

すでに平成20年。いまだに多くの会社で、昭和の時代から続く風習や決まりごと、働き方が支配している。「若者はなぜ3年で辞めるのか?」でその状況を描いた著者が、辞めた後の、いわば「平成的な生き方」とは何かを説く。

http://www.amazon.jp/dp/4480064141

著者の前作である「若者はなぜ3年で辞めるのか?」は、七五三現象と呼ばれる大高中卒就職者の離職率の目安となっている「3年」という期間に着目し、なぜいま仕事を辞める若者が増えているのかという点について説明していたとてもきょうみぶかい一冊でした。
好きも嫌いも関係なく、会社や家族*1のために泥のように働くことをよしとした時代ではもうないのだという展開は非常に明快で今という時代をうまく説明していると感じました。

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)


# ↑これね
# 前作の感想リンクを貼ろうと思ったら感想書いてなかったので簡単にまとめてみました


さて。本書はそんな前作に続く話題として、3年で辞めた若者たちがどのように考えて辞めていったのか、そして今どのように働いているのかという点について、前作同様さまざまな人たちに会って聞いた話を分かりやすくまとめています。実例として挙げられているのが成功事例といってもよいようなケースばかりに偏っているのが少し難ですが、それも時代はこう変わってきているのだというイメージをつよく印象付けるためと考えれればとても納得できます。


ひとつひとつの事例が小分けになっていてとてもよみやすく、また個々の事例が具体的なのでとても説得力があってよかったです。

*1:となると結局は自分自身に収束するのですが