
なぜ男は妻よりも美しくない女性と浮気をするのか? (宝島社新書)
- 作者: 中里妃沙子
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2012/10/09
- メディア: 新書
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いまや1日に600組強もの夫婦が離婚している日本。その原因はさまざまだが、年間300件もの離婚相談を受けている弁護士・中里妃沙子先生によれば、一定のパターンがみえてくるという。「20代に増える草食系離婚」「夫の浮気相手は妻より美しくない」「高学歴・高収入夫でしか起こらないモラハラ離婚」「銀行マンはすぐに再婚する」など、いまもっとも頼れる離婚弁護士が最新離婚事情を語る。本書では、社会学、経済学、心理学、政治学の4つのジャンルに分けて、実際にあった相談エピソードを掲載した。夫婦であれば一度は頭をよぎる『離婚』という名の駆け引きが手に取るように理解できる。
http://www.amazon.co.jp/dp/4800201268
本屋でこのタイトルを見たときに1秒で「読んでみたい!」と思ったのと同時に、「これを買って帰ったらマコ*1にいろいろと詮索されるんじゃなかろうか...」という気持ちもわいてきまして、買おうか買うまいか7分くらい悩んだのですが結局好奇心に負けて買ってきました。
人間、自分に素直なのが一番でござるな。
さて。
本書は年間300件の離婚相談を受けている弁護士である中里さんが、現代の離婚事情を紹介してたまに思い出したように分析もしてみるという内容でして、タイトルについてはほぼスルーという内容でした。もちろんタイトルに関する記述もあるのですが、あくまでそれは相談のあった事例のひとつに過ぎず、さらにその事例もさほどおもしろい分析はされていなくてちょっと肩透かしをくったような気分でした。
新書のタイトルなんて釣りタイトルだというのは理解しているつもりでしたが、ちょっとがっかりしましたし、がんばって買ってきたエロ本がマニア向け過ぎて全然興奮できない的なそんな不完全燃焼に陥ってしまいました。
とは言え、離婚がどういった要求から発生することが多いのかということや、現代特有の事由などの事例紹介は割とおもしろかったのでそこはすごくよかったです。男女の違い、世代の違いが垣間見えてきたところもあっておもしろかったです。
本書の内容について簡単にまとめます。
- 離婚に必要な3つのポイント
- 夫婦間での離婚についての合意
- 両者の合意があれば離婚は可能
- 合意がまとまらないときは条件を決めるための協議をする
- 未成年の子どもに関する問題
- 親権者を決めないとだめ
- 夫婦間のお金の問題
- 夫婦の財産は分け合う
- 夫婦間での離婚についての合意
- 離婚の事例
- セックスレス - その1
- 結婚して3年で一度もセックスしていない
- 子どもが欲しくなればするかと思ってたけど...
- セックスレス - その2
- 付き合って2年で2回、結婚してから2年で1回もしていない
- 奥さんは結婚生活がうまくいっていないと思っている
- 旦那はまったく不満無し
- セックスは生々し過ぎてちょっと...(旦那談)
- モラハラ離婚
- 出世したら途端に冷たくなった
- 日々ねちねちと嫌味を言い出す夫
- 誰のおかげで飯が食えてんd(以下略)
- ウツを理由に離婚はできない
- 転職をきっかけに夫がウツに
- そのことが原因で妻を怒鳴りつけたりケンカしたりを繰り返す
- 奥さんはもう嫌なのでさっさと別れたい
- 夫婦には同居義務や扶助義務がある
- だからウツを理由に離婚とかいうと、逆に無責任だと言われる(有責配偶者というらしい)
- 過去の浮気を許せない女性
- ある日突然妻が家を出て行った
- 理由は結婚前に夫がした浮気がやっぱり許せないから(25年前の話)
- ちなみに20年以上前、結婚してから妻は浮気をしている
- 女性は過去のことがどうしても許せないというケースがある
- セックスレス - その3
- 浮気相手が妻よりブスな理由
- 浮気相手になるような女性は軽いから(軽いからかわいくない?)
- 本命になれないということは...
- (本書にはもうちょっと書いてありますが自重)
- セックスレス - その1
これ以外にもいろいろな事例が紹介されているので、今日のある方は本書を読んでいただきたいのですが、いろいろとおどろかされることの多い本書の中でも一番びっくりしたのはセックスレスで離婚するケースが多いという話であり、しかもそれが40代以降の女性側から切り出されることが多いという話です。
いやもちろんこれが20代とか30代だったら分かりますよ。
いっしょに過ごした時間よりもこれから先過ごす時間が長いわけですから、それが全部セックス無しだと思ったら耐えられないしそれだったら離婚して別の人を探したいっていうのは分かりますが、40歳、50歳過ぎてもそんなこと言ってる人がいるってのは何だかなと思うわけで*2。
セックスは愛情表現だから男性側から誘われないのは耐えられないっていうことなのかも知れませんが、でもそれって勝手な言い分だと思うんですよ。その原因の一端が自分にあるかもしれないということをまったく考えずに被害者面してるんだとしたらお前ふざけんなよと言いたくなります。そうじゃなくて「もう旦那とはヤリたくないので離婚して別の男性とヤリたいでござるよ」というのであれば、それはそれで納得できるんですがどうも「セックスレスは夫が求めてこないのが原因」みたいな意見が多いように感じられてそこには違和感をおぼえたし、そもそも何十年といっしょの時間を過ごしながらもセックスをしないくらいで離婚したいと思うその神経がわからんなというのはきっと私が男だからなんでしょうかね。
さすがにそこだけをアウトソーシングするわけにもいかないでしょうから、我慢できなければ離婚しかないというのはそのとおりなんでしょうけどどこか割り切れない気分になりました。
毎日映画を観に行ったり一人で旅行に行ったりしていることを知っている人からは「いとっとは普段から好き勝手遊びまわってるんだから離婚されても文句は言えないよね」とはよく言われるのですが、でもセックスレスだということが離婚を踏み切る事由になるのであれば、わたしの行いなど人によっては即アウトなレベルですよね....。
「離婚なんて自分には関係ない」という人ほど、ある日突然離婚を切り出されてびっくりするという法則があるようなので、とりあえずこの本をしっかりと読んでそんなことにならないように気を付けようと思います。
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