死にぞこないの青

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れた。ホラー界の俊英が放つ、書き下ろし長編小説。

http://www.amazon.jp/dp/4344401638


小学生のころ。太っていて引っ込み思案だったわたしにとってはとても読むのがつらい作品でした。マサオのようにいじめられたことはありませんが、性格や考え方、行動パターンがまるで自分のことを書かれているようでとても息苦しい気分でした。まして、本書は著者自身が過ごした小学生年代と同時代を舞台として描かれているのですが、著者と同年代*1のわたしもまた同じ時代を過ごしてきたわけで、時代の象徴であるビックリマンドラクエなんてのが出てくるとそのリアリティに拍車がかかります。
何だか自分自身の小学生時分の思い出が書き換えられてしまいそうな、そんなおそれを抱きながら最後まで読みきりました。


息詰るような本編も非常によかったのですが、あとがきの力の抜け具合がとてもよいなと思いました。

*1:というか同い年なのですが