根付くということ

午後から町中にある映画館に行って来ました。今日の宇都宮は朝から雨模様だったので、映画館に行く時はマコ*1に車で送ってもらいました。すげー楽チン。


さて。映画を見終わったので迎えに来てもらおうとメールをしたのですが、ハホ*2とアオ*3が寝てしまったのですぐにはいけないという返事が返ってきました。目の前にあるマックで時間を潰して待とうかとも考えたのですが、映画館から家までは3kmと、絶対に歩けない距離ではないと思い直し、歩いて帰ることにしました。


歩き出してちょっとするとユニオン通りというとおりに差し掛かりました。
ここは「栃木の下北沢」とひそかに私が命名している通りなのですが、小さなショップや飲食店が点在していたりライブハウスがあったりと若い人が多い場所なのです*4
今日も雨の中、10代から20代後半までくらいの人たちが何をするでもなくブラブラと歩いていました。数年前までは、そのダラダラした感じが何となく苦手というか嫌いだった時期がありましたが、今はこの通りがすごく好きだし、ヒカリ座で映画を見る時は大体自転車で行くのですが、このとおりはなるべく通るようにしています。


そんなユニオン通りをとおり抜け、さらに自宅に向かって歩いていると、今度は肉屋を発見。ここはコロッケやから揚げなどの惣菜も売っているお肉屋さんなのですが、普段はそれを買い求める人たちでいつもお店の前には車や自転車が止まっており、そのせいで渋滞してしまうような大人気のお店です。


私はいつもそのコロッケを食べてみたいと思っていたのですが、常連客で混み合っている場所に突入する勇気がなくて彼らを横目で見て通り過ぎるだけでした。何だか敷居が高いような気がしていました。
そんな大人気店も、今日はこの雨のせいか人もまばら。これだったら5分と待たずに買えるような気がしたので、今日は思い切って並んでみる事にしました。
初めて入った店内は昔ながらのお店でして、使い込んだ油の匂いやコロッケやから揚げが揚がった時のいい香りが心底たまりませんでした。ちょっと前にラーメンを食べたりココアを飲んだりしていたので正直全然空腹ではありませんでしたが、この香りには食欲をそそられてしまい、急におなかが空いてきたような気がしました。もうデブまっしぐら。


予想通り5分と待たずに頼んだコロッケとメンチカツが揚げあがり、それを受け取り、そして代金を支払ってコロッケたちを手にして帰途に着きました。袋の中から漂う匂いもすごくよかったし、何より袋の上からコロッケを触るとすごく温かくて雨で冷えた体が暖められるようでとても心地よく感じました。


こうやって3kmブラブラと歩いて家まで帰ってきて感じたのは、もう完に栃木に馴染んでいるなという実感でした。
たしかに引っ越してきてからもうまる6年経っており、今年3月からは7年目に突入したわけですから慣れて当然です。7年目っていうと、私が初めて一人暮らしをした山形が6年だったのでそれよりも長くなってしまいました。まさか山形よりも宇都宮の方が長くなるとは思っていなかったなあ...。本当に人生ってどうなるか分からないもんだなと驚かされます。


当初は宇都宮市というか栃木県全体に負のイメージ(ヤンキーとか暴走族が多そうとか、変な事件が多そうとかいろいろよくないイメージ)が多くて、すごく不安を感じていました。仕事で宇都宮に来たのですが、仕事への不安よりもむしろ宇都宮に住む事自体に不安を感じていました。正直怖かった。
でも住んでみたら怖い目にあったのはほとんどなくて、全然平和というかすごく住むにはいい場所だなという想いが日に日に強くなっています。東京まで1時間程度で行ける交通の便のよさや、欲しいものは大体揃う程度の都会っぽさ。でも夜空には星が見えている自然環境のよさ。とにかくいろいろなものがバランスいいのです。いい場所だなと改めて感じます。


たまに歩くとこういう新しい発見があってすごく楽しい。
こんなにたくさんの新発見があるのであれば、ヒカリ座に行く時にはなるべく歩いて行き来するようにしたいなと思ったのでした。

*1:

*2:長女

*3:次女

*4:ちなみに私は下北沢には行った事がまったくなくて、あくまでイメージでそう呼んでいます