大学サバイバル

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この本を読んで一番驚いたのがFランクという定義が実際にあるということ。
2chでよく見かけるFランというのが、2chの造語ではなく河合塾が作った実際のランク名だという事にかなり驚きでした。ちなみに定義を見てみると

入試がやさしすぎて偏差値がつけられず、ほぼ全員合格の大学をさす「新しいランク」だという。
「F」は「Rank Free」からとったとのこと。各大学ごとの偏差値は、その大学への合格率が五割の学生の偏差値をもとにつけているのだというが、その計算が、成り立たなくなったのだ。


33〜34ページから抜粋

とのことです。大学が全入時代を迎えるということは裾野が広がるわけですから、そりゃそういうケースもありますよね。


先日読んだ「潰れる大学、潰れない大学」が非常に面白かったので同様の本を探してみましたが、こちらの方がより多くの事例が載っていて読みやすかったです。話としては2,3年前の話がメインなのでちょっと古い感はありますが、私が大学を卒業してから後の話なので全然知らない事も多かったです。
特にゆとり教育の推進から受験重視に変わりそうだという話やAO入試の話、社会人学生が増えているという話は、この本を読んだおかげで多くのことを知ることが出来ました。特に社会人学生については、私自身、専門機関で何かを学ぶ事にすごく興味がありましたし、夜間大学や専門学校等で学ぶ機会を作りたいと常日頃から考えていました。
この本を読んでさらにその気になってきました。


あとは都内の国立大学で結成する「五大学連合」の話は結構意外だったというか、そのような構想があること自体がかなり予想外でした。これに加わっているような一流の大学でさえも生き残りをかけて新たな道を模索しているという事実が、大学は努力無しには今のような安定した地位にはいられないのだという時代の変化を強烈に印象付けられます。


ただ、そういう安定した時期ではないからこそ、逆に生き残りをかけておおっぴらに戦うことが出来るいいチャンスでもあるわけです。今はFランと呼ばれようとも、いつかは一流大学になれる可能性があるのが今という時代ではないかと感じます。より多くの顧客を取り込むための環境作りが出来るかどうか。それがこれから大学に課せられた課題なのです。


とは言え、言うは易し 行なうは難し。それが簡単に出来るほど甘い世界でない事は本書を読めば嫌でも理解できます。