トゥモロー・ワールド

◆子供が誕生しない未来を変える少女の出現。
唯一の希望を失えば、人類に明日はない。

西暦2027年、人類に子供が誕生しなくなって、すでに18年の歳月が経過していた。あらゆる研究もその原因を解明することができず、人類はただ静かに地球を明け渡す時を待つばかりだった。そして、その年の11月16日、18年前にブエノスアイレスで生まれた"人類最後の子供"が障害事件に巻き込まれて死亡したというニュースが世界を駆けめぐり、人々の心はさらに重苦しい空気に包まれた。

未来への希望を失った人間たちは秩序を失って暴徒と化し、世界中の多くの国家が次々と崩壊していった。イギリスでも各地で反政府勢力による爆破テロが頻発していたが、軍事力を使った徹底的な抑圧で、どうにか国家機能を維持していた。

エネルギー省官僚のセオ(クライヴ・オーウェン)は、ある日、武装した集団に拉致される。アジトに連行された彼を待っていたのは、元妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)だった。彼女は今、反政府組織"FISH"のリーダーとして活動を行っていた。セオもかつては理想に燃えた平和活動の闘士だったが、20年前に我が子を事故で失ったことで生きる意味を見失い、自分の将来にも人類の未来にもまったく興味がない、希望を捨てた男になっていた。そして、今では体制側の人間に成り下がっていたのだった。ジュリアンがセオを拉致した目的は"通行証"。1万ポンドの報酬と引き換えに、政府の検問を通過できる通行証を手に入れてほしいと依頼してきた。セオはあまりにも無謀なその依頼を一度は断るが、ジュリアンが政府の目を逃れ接触してきたことに、重要なわけがあることを感じていた。そして、何よりセオは今もジュリアンへの想いを断ち切れないでいたのである。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7373


生殖能力が失われて子供が生まれなくなってしまっていた世界に生まれた一人の赤子。この子と母親を安全な場所へ届けるために、さまざまな立場の人間が自らの命をかけてその命を紡いでいくストーリーにグッときました。面白いという噂を裏切らない本当に素晴らしい作品でした。


もっともっとたくさんの感想を書いたのですが、何度読み返して書き直してもこの衝撃を伝えられる文章にはならなかったので消しました。これほど伝えたいけど伝えられないといった気持ちになる作品は久しぶりです。
見ていない方には一度見て欲しいし、見た人にはぜひ感想を伺ってみたいです。


それにしても何でこの作品を映画館で見なかったのか、本当に悔やまれてなりません。公開が去年の11月じゃないの...。


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