「キアズマ」読んだ

以前は青春モノや多少ファンタジーな設定のお話を主に好んでいましたが、趣味で走るようになってからはスポーツを題材にした本もよく読むようになりました。今まで好きだったジャンルは相変わらず好きなままなんですが、スポーツモノもたまらなく好きになってきています。


キアズマ (新潮文庫)

キアズマ (新潮文庫)

決して交わるはずのなかった、俺たち。喪失を超えるように、ただ走り続ける――。命をかける覚悟? 誰かを傷つける恐怖? そんなもの呑み込んで、ただ俺は走りたいんだ。ひたすらに、自分自身と向き合うために。助けられなかったアイツのために――。一年間限定で自転車ロードレースに挑むことになった正樹。「サクリファイス」シリーズ4作目、新たな舞台は大学自転車部! ファン待望の最新長編小説。

https://www.amazon.co.jp/dp/4103052546

本作は入学初日に事故を起こして相手を怪我させてしまった男性が、その責任をとって大学の自転車部に一年間入部するというお話。冒頭からやたらネガティブさを前面に押し出す主人公にちょっとうんざりしていたのですが、その性格を形成する過去の出来事が明らかになるにしたがってじょじょに彼の言動に理解を示せるようになっていきます。


今までまったく興味のなかったことを始めた人がその楽しさや魅力にどんどんとりつかれていく様子や、好きなことだからどんな努力も苦ではなくできるところを読んでいると自分が映画や走ることにハマっていったときのことを思い出してしまいました。

わたしは自転車を趣味にしたことはないしそもそも競技用の自転車に乗ったことすらないのですが、好きなことを続けていく中で壁にぶつかって続けていいのかどうか悩むところなんかもすごくわかるなあと感じる部分が多くて終始シンパシーをおぼえながら読み続けちゃいました。