「ピクセル」見たよ


今から30数年前、NASAが宇宙人との交流を夢見て“人間”を・・”地球“を・・深く知ってもらうための紹介映像を宇宙に向けて発信、その中には 当時大流行していたゲームの映像も送られた…。ところが受信した宇宙人は、それを友好のメッセージではなく挑戦状ととってしまったから、さあ大変。彼らは地球が発信したゲーム・キャラクターに扮し、現代の地球を侵略しにやってきたのだ! しかし、そんな彼らの弱点を見抜いた男たちが現れる。彼らは 80年代当時 ゲームチャンピオンの名をほしいままにしていた最強の元ゲームオタクたち!はたして彼らは、ゲームクリアできるのか?それとも人類は全滅してしまうのか――。

『ピクセル』作品情報 | cinemacafe.net


レトロゲームを題材にした映画が公開されるという話を初めて聞いたときに思い浮かんだのは「それってちゃんとした映画になるの?」という不安でした。ゲーム単体を題材にした映画は数あれど、レトロゲームを題材にした映画なんて聞いたこともなかったし一体どういうジャンルの作品になるのかさえ想像することができませんでした。

レトロゲームが大人気だった時代を懐古するような話だとすればまったく興味のない内容ですし、時代ではなくゲームそのものを題材にするというのもいまいちピンときません。あえてレトロゲームに限定している以上、昔のゲームならではのファクターがあるはずでそこがなんなのかすごく気になっていました。

むかしからのゲーム好きとしては果たしてどういうジャンルでどういう話になるのかめちゃくちゃ気になっていたのですが、いざ観てみたら完全に予想の斜め上をいく内容でして、つまり思っていた以上にレトロゲームを中心に据えた作品になっていていい意味で期待を裏切られたなと感じました。

宇宙人が地球からケンカを売られたと勘違いして攻めてくるというおバカな設定や、話の流れを整えるためとしか思えないご都合主義全開の展開にはちょっと呆れてしまうところもありますが、物語としては観ている人を惹きつける魅力を秘めていて最初から最後までまったく飽きることなく鑑賞できました。

宇宙人がゲームで勝負を挑んでくるとか3回勝負だとかそういう一つ一つの要素だけ見ればほんとばかばかしい以上の感想は出てこないのですが、でもこれがきれいにひとつの物語としてまとまって完結していてしかもめちゃくちゃおもしろいんです。レトロゲームに思い入れのある人もない人も楽しめる良い作品でした。


ちなみに、本作のエンドロールではこの作品の全ストーリーをドット絵で簡易に再現した映像が流れるのですがこれがもう非常にグッととくるというか、こうやってドット絵で再現すると本当にむかしのゲームみたいな話だったんだなといたく感心させられました。

途中でトイレに行ったり寝てしまったために本編を見逃してしまった人も、このエンドロールを観ればどんな話だったのか分かる親切設計になっています。というのはさすがに冗談ですが、こういう本筋以外の部分の作りこみもとてもこだわりが感じられたしとてもよかったです。


@アースシネマズ姫路で鑑賞