ある王国で、念願のプリンセス、オーロラ姫の誕生を祝うパーティーが開かれている。招待客たちが次々に祝福に訪れ、城は幸福感で満ちていた。“招かれざる客”である邪悪な妖精マレフィセントが現れ、オーロラ姫に“永遠の眠り”の呪いをかけるまでは…。はたして彼女は何者だったのか?なぜオーロラ姫に恐ろしい呪いをかけたのか?そして、その呪いがマレフィセントとオーロラ姫にもたらす驚くべき運命とは…?
『マレフィセント』作品情報 | cinemacafe.net
有名な物語なので元の話もおおよそ把握していたつもりでしたが、その内容と本作の内容があまりにかけ離れていたために正直かなりおどろきました。予告を観て想像していたのは「悪い妖精マレフィセントがオーロラに呪いをかけて永遠の眠りにつかせてしまう」ともともとのお話に近い内容でしたが、今作ではマレフィセントが呪いをかけるに至ったのはひどい人間の裏切りがあったからであってマレフィセントはぜんぜんわるくないんだよ!(意訳)という切り口で物語が描かれています。
いかにも悪そうなマレフィセントの暴れっぷりをを期待して観に行ったのですが予想とは違う方向でかなり戸惑いました。
でもね...。でも超おもしろかった!
自分でオーロラに呪いをかけたくせに彼女の成長をみているうちにかわいくてかわいくてしょうがなくなっちゃってがんばって呪いを解こうとしちゃったり、呪いが発動したらしたで王子のキスで助かるなら...と王子を連れて行ったりと「強烈な魔力と目力で周囲を圧倒する強者としてのマレフィセント」と「優しくしたいのに素直になれなくてついツンデレしちゃマレフィセント」がとにかくキュート。
この脚本書いた人も演出した人も演じた本人もきっとマレフィセントのことがすごい好きなんだろうなと思わずにはいられないほど魅力あふれるキャラクターになっていました。
そしてもうひとつおどろいたのは「アナと雪の女王」をほうふつとさせる後半の真実の愛に関するくだりです。
「アナと雪の女王」で、凍ってしまったアナの心を溶かしたのはハンスやクリストフといった王子的役割の男性によるキスではなくアナ自身が姉のエルサを自分のこと以上に大事に想って行動したその愛でした。つまり王子さまに愛してもらうという受け身の愛ではなく、自らが他者を愛することで自分が進む道を切り開いていく。この作品からはそのような意思を感じました。
ディズニーは名作と呼ばれていた過去の傑作をこれからも長く受け継がれる物語とすべく、現代、もしくはこれから中心になっていくであろう意見、考え、価値観を物語に反映させながら再構築しているのかなという印象をうけました。
オリジナルの「眠れる森の美女」は未読/未見なので、一度観てみたいです。
@MOVIX宇都宮で鑑賞
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