「名探偵コナン 絶海の探偵」見たよ


京都・舞鶴港沖。海上自衛隊によって、貴重なイージス艦の体験航海が開催されていた。電子武装されたハイテク艦で繰り広げられる大迫力のクルーズを楽しむコナンや蘭、小五郎、そして少年探偵団たち。しかし突如、轟音が響き、艦内に不穏な空気が流れる。やがて間もなく、左腕のない遺体が発見される! しかも、なんと自衛隊員の遺体だというのだ! そこには、いくつかの不審な点が残されていた。捜査に乗り出したコナンは、艦内に某国のスパイ“X”が乗り込んでいることを知る。 果たして、スパイ“X”とは何者なのか? 不審船との関係は? この航海には想像をはるかに超えた、日本全土を揺るがす巨大な陰謀が隠されていた!

『名探偵コナン 絶海の探偵』作品情報 | cinemacafe.net


TOHOシネマズ宇都宮でハホ*1と観てきました。

ここ数年、長女が好きなマンガはドラえもんクレヨンしんちゃんにずっと固定されていたのですが、さいきん急にコナンにハマりだしたようだという噂を聴きました。コナンのどこが好きなのかと聞いても笑ってスルーされるので「本当に好きなのか?」と疑問に思っていたのですが、土曜日の夕方になるとチャンネルを日テレに合わせて楽しそうに観ていますし、単行本もひそかに集め出したりしているようでどうやら本当に好きなようです。

わたしも昔はコナンはわりと好きで観ていたのですが、いつまで経っても黒幕がはっきりしないことにイライラしてしまい、いつの間にか観なくなってしまっていました。おもしろいんだけど、終わりが見えなくてもう嫌になっちゃったんですよね。長く引っ張り続けるのはおそらく大人の都合もあるのでしょうが、物語は物語として一度きっちりと幕を引いて欲しいなと思うんですけど、ファンの方はやっぱり終わって欲しくないんでしょうか。

そんなこんなでわたしはしばらくコナンはご無沙汰でしたが、せっかく長女が興味をもったのであればいっしょに映画を観に行こうと思い立って観に行ってきました。


さて。
本作は、イージス艦を訪れたコナン一行が艦内でハプニングやら殺人事件に遭遇するといういつもの展開でしたが、ミステリー要素がきわめて薄い部分とイージス艦内のディテールに至るまでこまかく描いている点がとても印象に残りました。

わたしは劇場版のコナンをほとんど見たことがないのですが、映画をふくめたコナン作品に対するイメージは「予想を裏切るトリックが織り交ぜられた探偵モノのミステリー」というものでした。解決困難な事件を「わずかなきっかけをもとに推理して見事に解決するコナンすげえ!」という感じだと思っていたのですが、どうやらこの作品はそうではなかったのです。

スパイが誰かというのはウソみたいにあっさりと判明してしまうし、謎らしい謎もなく物語は次々と進んでいきます。
コナンをあんまり観ていないわたしがこんなことを言うのはおかしいような気がしますが、全体的にコナンらしくないなと感じる部分がすごく多かったのです。


じゃあ映画が想像とベクトルがちがったというのはさておいて、映画がおもしろかったのかそれともおもしろくなかったのかと言われると、それはもう文句なしにおもしろかったんです。イージス艦内に配置された設備やシステムは本当にそれらしく再現されて描かれていてそこがまたすごくかっこよかったですし、シンプルに組み立てられたストーリーがスピード感をもって語られるので飽きることなく観ていられるのがいいんですよね。


いくつか子どもたちにはむずかしいんじゃないかと思うような部分があったのですが、そこはそこで分からなくても楽しめるようになっていて、観終えてから長女に聞いてみたらたしかにそこはよくわかんなかったけどおもしろかったよと喜んでいました。

分かる人には踏み込んで楽しむ余地をもたせつつ、子どもたちにはそういった分からない部分は気にせずに楽しめるつくりになっていることはすごくいいなと思いました。大人も子どももそれぞれがそれぞれの楽しみ方ができる映画ってこういう作品だ!という好例のようなよい作品でした。


公式サイトはこちら

*1:長女