「ダークシティ」見たよ

ダークシティ [DVD]

ダークシティ [DVD]

太陽が出ない街、ダークシティ。ある日、マードックルーファス・シーウェル)が目を覚ますとそこはバスタブの中。それまでの記憶もなく、自分が一体なぜそこにいるのかわからず全裸のまま歩いていくと、ベッドのそばには若い娼婦の死体が。次第に連続娼婦殺人事件の犯人が自分になっていることを知ったマードックは、殺人も何も身に覚えがない。何者かによって記憶を略奪されたことを知ったマードックは、頭の片隅にわずかに残っている記憶を頼りに、そんな疑惑を晴らそうとする。

ダークシティ - Wikipedia

(注意)
本エントリーは作品の内容に触れている部分もあるので、未見の方はご注意ください。


本作品も「映画を一本おすすめしてください」エントリーで募集して教えていただいた作品です。


ひじょうに突拍子もないお話でしたが、人の過去と今をつなぐものが"記憶"という曖昧なものしかないという事実を白日のもとに引きずり出したすばらしい作品でした。SFチックなお話でしたが、決して別の世界の話とは思わせないリアリティを獲得していて、観ながら常に「自分だったらどうしよう」と自分のことに置き換えることを考えながら鑑賞しました。

期待以上におもしろかったです!


この作品には時を止めたりする力をもつ宇宙人が出てくるのですが、彼らは一つの心を共有しているために多様性が無く、故に滅びかけているというところはすごくおもしろい設定だなと感じました。その個性のなさを克服するために、毎晩実験台を選んではその人の記憶を書き換えて心の作用を研究し、いずれ個々人の心を手に入れようとするというその発想がなんというかあまりにユニークで感心してしまいました。


過去といまをつなぐものが自分の記憶しかなく、そしてその記憶というのが見知らぬ誰かに勝手に書き換えられるような曖昧なものであったとすれば、果たして人は何をよりどころに昨日と今日をつないで生きていけばいいのかとブルブル震えずにはいられない怖さがすごく印象に残ったのですが、たとえ昨日と今日をつなぐことができなかったりつながり自体がそもそも虚構だったとしても、人は今を生きていくことで生をつなげられるんだなということに希望をもてたのでした。


あと、箱庭感たっぷりの世界観や映像もすごくわたし好みでした。