公安の目をかいくぐり、不穏な動きを見せる国家要職を担うキャリア官僚たち。その中には、与党幹事長・伊達(香川照之)の姿も含まれていた。さらに、テロリストの魔の手は、笹本(真木よう子)、山本(松尾諭)、石田(神尾佑)ら第四係のメンバーにも襲い掛かり…。衝撃の発言をした尾形(堤真一)の真の狙いとは――? 2007年11月から2008年1月まで、フジテレビ系にてオンエアされたTVドラマ「SP」の映画化第2弾。
『SP 革命篇』作品情報 | cinemacafe.net
フォーラム那須塩原にて。
唯一、単行本まで買い集めて読んでしまうくらい大好きな漫画があります。
週刊ヤングジャンプで連載中の「嘘喰い」という漫画なのですが、ギャンブルと暴力を題材にして世界の在り様を描いた作品でして、知的好奇心と暴によるスリリングな戦いの両方が楽しめる非常に面白い作品です。「嘘喰い」の魅力を端的に申し上げると「ダイナミックに展開するストーリーが迫力のある絵で語られるのが面白い」とまとめられます。
そんな「嘘喰い」の中でわたしが一番好きなのは「廃坑のテロリスト編」です。
東京に撃ちこむミサイルを買う資金を得るために大金を賭けた勝負がしたいというテロリストの佐田国と、嘘喰い(←主人公)が勝負するというお話なのですが、佐田国の仕掛けたイカサマがかなり意外だったということと、それを見破った嘘喰いの手口があまりに見事過ぎたために今読んでもMAX興奮出来るくらい素晴らしい傑作となっております。もう100回くらい読み返したくらい大好き!
首都圏にミサイルを撃ち込んで革命を起こそうとした佐田国のはかりごとは嘘喰いに負けてしまったことで潰えることとなりますが、力づくで現在の権力をひっくり返してやれ!という強引な力技が失敗したのを横目に、別の人物は知謀によって革命を起こそうと企ててうまく事を運ぶ姿が同時に描かれます。そして革命成功への第一歩を踏み出したその人物が「革命とはこうやるんだよ」といってのけるシーンがありまして、これがまたかっこいいんです。
嘘喰い好き以外には伝わらないお話が続いてしまい大変申し訳ないのですが、この嘘喰いの話にあるとおり、力による革命というのは難しいということは非常に納得できる示唆ですが、本作「SP 革命篇」もこの点を踏まえて物語が展開していきます。完璧に見えた計画が、徐々にほころびをみせていくあたりのみせ方は結構うまいと思いましたし、緊張感にうまく強弱をつけて見ている側の興味を絶えないように工夫している点はよかったと思います。
ただ、テレビドラマの完結編として考えると悪くないのですが、映画単体として観ると楽しみにくい内容だったような気がします。
もちろんシリーズ化された作品の最後だけを観るような人はほとんどいないでしょうが、過去の作品を知らずとも楽しめる工夫はあってもよかったと思いますし、それをするためには前・後編で区切らずに劇場版を一作品にまとめるべきだったのではないかなと。わざわざ前後編にわけてそれぞれを分けるよりも、テレビドラマの結末としても楽しめるし、映画単体としても楽しめるように撮った方がよかったんじゃないかなとわたしは思います。
せっかく劇場でやるんだから、過去のドラマを知らない人も映画だけ観ても十分楽しめるようにしたらいいのというのがわたしの意見です。
とりあえずドラマも野望篇も観ていたわたしには十分満足できる内容でした。
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