「鉄道員」見たよ

鉄道員 デジタル・リマスター版 [DVD]

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鉄道機関士アンドレアは、幼い末っ子サンドロの誇りだった。だが、長男マルチェロや長女ジュリアからは、その厳格な性格が嫌われていた。

ある日、アンドレアの運転する列車に若者が投身自殺をする。しかもアンドレアは、そのショックにより赤信号を見すごし、列車の衝突事故を起こしかけ、左遷されてしまう。

鉄道員 (1956年の映画) - Wikipedia

TOHOシネマズ宇都宮にて。午前十時の映画祭にて鑑賞(5本目)。


終始生きることの儚さを描きつつ、それでも最後には生きることはなんてすばらしいんだろうと前向きになれる心温まる作品でした。ツンツンと観るものに心を許さずひたすら生きることのむずかしさを描いた前半と、他者との関係を築いていく中で得られる生きることそのものの喜び、生あることへの感謝の気持ちがあふれだすラストのデレデレっぷりのギャップには心底まいりました。生きるのなんて全然楽しくないんだからね!! でも楽しいこともあるんだから...って感じ。
ラストを観るまでは「何だか生きるのってしんどいよねえ」という気持ちで心の中が満たされていたのですが、あのラストでものの見事にすべての帳尻があったような気になりました。
ただ唯一気になったのは、このラストが果たして現実のことなのかそれともアンドレアの死の間際に見た夢だったのかそれがわたしには判断がつかなかったということです。もちろん前後の流れから判断すればあれは現実であったに違いありませんが、でもあまりにタイミングがよすぎて上でも書いたとおり、ここですべての帳尻があわされているようなそんな不自然さも感じたのです。
現実であってほしいと願いながらも、でも本当にそうなのかと信じることが出来ずにモヤモヤした疑惑が浮かんでしまいます。


果たしてそれがどちらなのかはわかりませんが、アンドレアが幸せな最期を迎えたことはまちがいなく、そのことだけでわたしは何か救われたような気持ちになったのでした。