殺人の門

殺人の門 (角川文庫)

殺人の門 (角川文庫)

611ページとここ最近読んだ本の中では一番分厚い本でしたが、一晩で読み切ってしまいました*1
淡々として語り口調で紡ぎあげられる語り部自身の人生と、その人生に大きな影響を与え続けた一人の男。抑揚の感じられない口調とは対照的に、あまりに彼の受けた数々の仕打ちが残酷すぎて、そのさまに吐き気すら覚えました。


なぜ、そこまで他者の人生を自らの手のうちにおいておきたいと考えるのか
なぜ、そこまで徹底的にやれるのか


私の価値観では到底図りきれない、もう別の世界を見ているのだと思いたくなるような作品でした。

*1:眠れなかったので本を読んでただけなんだけどね