ホンダの価値観―原点から守り続けるDNA (角川oneテーマ21)
- 作者: 田中詔一
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/12
- メディア: 新書
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友達の家など、自分の家以外に行った時にいつも思うのですが、誰の家にも必ず独特の匂いがあります。これは臭いとか臭くないとかそういう次元の匂いではなくて、生活臭と言うか各家庭が生活を営む上で発しているさまざまなものの匂いが混ざり合った匂いのことです。
例えば。
お爺ちゃんやお婆ちゃんと同居している家には仏壇があることが多いのでちょっと線香の匂いが混ざっていたり、お酒好きなお父さんの居る家では日本酒の匂いが強めに混ざっていたりします。もう少し抽象的なパターンを挙げると、男兄弟ばかりの友達の家は安心する匂いがするし、女の姉妹が居る家では普段かいだ事のない匂いが満ちているせいか、落ち着かないと感じることが多いです。
私はひどく気を遣ってしまう性質なので本来人の家に行くのは苦手なのですが、でもこの匂いを感じる瞬間はすごく好きだったりします。匂い大好き。
最初から話が発散してしまいましたが、この本からはホンダが持つ匂いを感じられました。企業の持つ匂いを感じられる内容で非常に面白かったです。
以前「トヨタの上司は現場で何を伝えているのか」を読んでこんな記事を書きましたが、この本からはトヨタが多くの工夫を積み重ねて成長していく様を想像しました。
対して、本書を読んでホンダに対して持った印象は溢れんばかりの熱意を武器に突進していく姿を思い浮かべました。
レースに情熱を注いでいる点や
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- 買う喜び
- 売る喜び
- 作る喜び
という「3つの喜び」を2つある企業理念のうちの1つに掲げている点がそのように感じた理由です。顧客を大事に思い喜ばせようとする一方で、働く人自身の喜びやものづくりも同じくらい大事にしている点に共感を覚え、またホンダの匂いを感じました。
匂いは無いよりもあった方がいいです。例えそれがいい匂いだとは思えなかったとしても、それはそれで一つの個性になるのだと思うのです。匂いのする企業ってすごく魅力的です。