話せぬ若手と聞けない上司

話せぬ若手と聞けない上司 (新潮新書)

話せぬ若手と聞けない上司 (新潮新書)


amazonで本を買った時に送料対策で買った一冊なのですが、予想以上に良書でした。部署に配属された新人の気持ちがイマイチ理解出来ないと思っている人や、上司と馬が合わないと転職を考えている人にはぜひお奨めしたい一冊です。


本書の内容を一言でまとめると、まずは相手を認めようという事です。無理に理解しようとせずに、まずは相手の考えを聞いてそれを認めること。それが出来ない限りはいつまでたっても相手を理解出来ないし、何も進まないのだと説いています。


例えば。
部下の言った些細な一言に「そんなもんじゃない」と噛み付くよりも、まずはその発言を一旦認めてさらに話を進めていく方が大きな発見につながると著者は言います。
確かに自らの発言を否定されてしまうとそれ以上踏み込んだ話をする気にはならないでしょうし、一度相手の発言を全て承認するという事はその先にある相手の気持ちを知るためには有意なことなのかも知れません。



それと追加でもう一点。すごく面白かったのが、自分探し・自分ストーカーのお話です。
過去の自分に憧れしまい、結果としてそれを追い続ける人が増えているというお話なのですが、載っている実例を読んでみて思い当たる節もいくつかあってすごく耳に痛い内容でした。
学生時代などに自らすごく輝いていると感じる時期があった場合に、その時期の自分を本当の自分として追い求めてしまう人が増えていると感じているそうです。先日見た「あしたの私のつくり方」じゃないですが、本当の自分と嘘の自分なんて考えてしまうような時期が私にはありましたが、そんなのはとっくの昔に過ぎていたつもりでした。ですが、こうやって考えてみると、いつも心のどこかに未来の自分の姿として理想像の自分みたいなものを描いていたように思います。


こういった意識を持つ新入社員をどのようにして教育してきたのか。そのあたりのお話が実例を交えて説明されています。


やはりこうして読んでみて実際に体験したこと、話したことってすごく伝わりやすいなと思います。文章を書く時には心がけよう!!