潰れる大学、潰れない大学


学校が潰れるなんてのは最近は珍しくないかも知れませんが、私が学生だったころには全く考えられないことでした。
それこそ銀行のような、自治体のような、絶対に無くならない機関として存在していたように記憶しています。
それが今では18歳人口の減少などをきっかけに、私大は廃校や統廃合が実施され、国立大学ですら統廃合を余儀なくされるような状況になっています。本書ではそのような事実についてまず説明し、さらにそれに対して各大学がどのような対策を立ててそれに取り組んでいるのかを紹介しています。


読んでいて一つ心配だったのは、基礎研究というか直接利益を生まなかったり成果が見えにくい学問が冷遇されないかという点です。
これからはグローバルな視点で...とか、大学発のベンチャーを...とかそういった目に見える部分がすごく大事だというのは同意しますが、例えば数学や哲学のような基礎学問を前述の学問と同列で評価していいのかどうか(そもそも出来るのかどうか)がすごく疑問に感じています。基礎研究があるからこそ、応用分野が発展できるのだという事は決して忘れないで欲しいです。

何ていうか、優遇しろとは言いませんがせめて冷遇しないような評価基準を設けて欲しいなと願うばかりです。


今年から全入時代と言われていたそうですが、実際には進学率が上がったためにもう少し先になるそうです。
ただ、これからは統廃合や廃校で潰れる大学が増えるでしょうし実際に自分が卒業した大学が無くなるという事もそれほど非現実的なことでは無いのだなと本書を読んで強く感じました。母校が無くなるのは寂しいけれど、これもまた時代の流れなんでしょうか。


私が出来る事といえば、子どもをたくさん作ってたくさん大学に送り込む事くらいですかね(笑)
もう3人くらい頑張るか。